そもそも、なぜ咀嚼をするべきなのか?
このように咀嚼にはさまざまな効果があり、この効果を知るだけでも「もっとちゃんと咀嚼しなくちゃ!」と感じた方が多いと思いますが、ヨガやアーユルヴェーダでは咀嚼の一番の役割は「消化を手伝うため」と考えられています。
胃腸の働きを活性する、と同じ意味ではありますが、なぜ咀嚼によって胃腸の働きを助ける必要があるかをよく考える必要があります。
そもそも口に入るものは、体にとっては食品であってもすべて「異物」です。
その異物には、ウイルスや見えない細菌が付着しているかもしれません。
あるいは胃腸では消化できないもの(食物繊維など)が含まれているかもしれません。
口の中に入れた食品は全て食道→胃→腸の順番で体内を運ばれ、最終的に不要なものは便になって排出されます。
熱い食べ物も、冷たい食べ物のも、辛いものも甘いものも、固形物も流動物もすべてこの順番で体内を移動し、最後不要なものは便となって排出されます。
あらゆる食品を体内で別の形に変形させ、最終的に不要なものを便として排出させるプロセスが消化です。
そして便の温度は、ほぼ体温と同じです。
どんな食べ物も最終的に36度前後の便の形にして排出させるという、消化のプロセスは相当大変で負荷がかかるものです。
イメージできるでしょうか?
だからこそ、食道に流す時にはなるべく食品は流動する形が望ましいのです。
大きければ大きいほど硬ければ硬いほど、胃や腸には負担になりますし、消化にも時間がかかります。
消化に時間がかかるということは、それだけ体内に不要なものが残ってしまう時間が長くなるということ。
この不要なものが毒となり病気の元になる、とヨガでもアーユルヴェーダでも考えてられているのです。
咀嚼だけで痩せるメカニズム
咀嚼をするというのは、口に入れたものからすみやかに栄養分を取り出し、不要なものはすみやかに外に排出させるのに最も効果的な方法であり必要な行為です。
そして咀嚼をすればするほど満腹になり、虫歯にならないような酵素が分泌され、脳や運動機能も活性し、体内では見えない胃や腸まで動いてくれます。
咀嚼という単純な行為は、全身の健康の鍵を握っていると言っても大袈裟ではありません。
どんなものを食べようと、咀嚼さえしっかりすれば食べ過ぎることはなく、また不要なものが入ってきてもそれは体内に余分に蓄積されることなく外に排出されるように人間の体は作られているのです。
さらにこのために使われるエネルギー量も増え、自然に痩せていきます。
痩せなくても太ることはないのです。
咀嚼を日常で意識しよう
咀嚼にはこれだけのパワーが秘められていますが、私たちはそれを軽視しています。
咀嚼をするだけで人生が変わったという人もいますが、そこまで咀嚼の効果を感じるにはやはり一口で30回以上を「当たり前」にする必要があります。
しかし咀嚼は難しい!
なぜなら市販の食品の多くが、歯応えよりも「柔らかく」「とろけるような」食品ばかりだからです。
せめて飲み込む前に「あと10回!」を意識してみるのはどうでしょうか。
咀嚼の回数が一口30回に満たなくても、回数を増やすことに意味があります。
お子さんを育てている方であれば、咀嚼が習慣として身につくように一緒に「よく噛んで」を合言葉に食事時間を楽しんでほしいと思います。
提供・yoganess
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