仕事のミスから立ち直れない。失敗を引きずってしまうわけ
どんなに完璧だと思っていても、仕事のミスって起こるときには起こるものです。修正が効く小さなミスから、会社や顧客、関連企業を巻き込むような大きなミスまで、世の中には星の数ほどミスがあるものです。
ミスはミスでも、色んな種類のミスが存在します。誰しもが少なからず経験することでしょう。業務上だけでなく、中には人間関係(従業員同士や取引相手)絡みでの失敗談も耳にすることもあると思います。これらは社会人になると、避けて通ることはできません。
あなたが今まさに自分の起こしたミスで立ち直れないほど凹んでいるなら、先に言わせてください。今はつらいかもしれませんが、大丈夫。一週間後のあなたは意外と立ち直っているはずですよ。
それに、いつまでもくよくよしていても何も良いことがありません。それどころか落ち込んだ気分と伴って、仕事の能率まで同時に下がってしまう一方です。つまり引きずらないためにも、なるべく早く立ち直らなければいけないのも事実なのです。
今まで大小合わせて数々のミスをして、その度に引きずってきた著者が言うのですから間違いありません。
以下では著者本人が経験した、業務上のミス(エピソード)に加えて、考え方や立ち直ったきっかけなどをお話していきます。
失敗からなかなか立ち直れない、その気持ちのリセット方法の参考にしてくださいね。その他、様々な業種・年齢の方の体験談も、一緒にご紹介させていただきます。
著者の経験した立ち直れなかった痛いミス
仕事のミス。やらかしてしまうと、しばらくは落ち込むものですよね。周囲に迷惑をかけて、上司に怒られて、お説教されて、めちゃくちゃつらいものです。
しかも辛いからと言って、引きずれば引きずるほど、その疲労感・焦燥感が表情にも出ます。さらに最悪なケースとして、体調にも悪影響を及ぼす場合もあります。
まさに心と身体は繋がっているということです。
では、ミスが発生してしまったとき、どのように対処していけばいいのか。まずは(落ち込むことよりも)それを考えるのが先決と言えます。
ミスの原因は、自分の小さな油断や不注意のこともありますし、クライアントや上司の伝え方が悪かったり、相手が勘違いして伝えたことが自分のミスにつながる貰い事故のようなミスもあるでしょう。
プライベート(家族間や友人関係)でさえも、そのような行き違いは起こりがちです。社会人経歴のある方であれば、ほぼ誰もが経験されていることと思います。
ですが「仕事中の貰い事故」の場合は、軽く考えてはいけません。そのときに自分が間違った対応をしてしまうと、話が拡大して弁護士に相談…などという事態になりかねません。そうならないように、例え自分が悪くないとしても、慎重且つ冷静に対応する必要があります。
著者の場合は、先輩が私に伝えた情報が間違っていて、結果的に結構な発注ミスになり、今考えてもまぁまぁの騒ぎになったことがありました。
しかし、何ということか当の上司は知らん顔です。私は当時新人だったこともあり、「あなたのせいですよね?!」と言えるわけもなく、黙ってミスを受け入れたものでした。
クレームが入ったり、更に別の上司にこっぴどく怒られたり。「いったい、どうしたらこんなミスをするのよ?」とお局にも怒られ。罪をなすりつけて知らんぷりをした、当時イケメンでかっこいい先輩のことは、もちろん大嫌いになりました。大嫌いどころか軽蔑です。人間不信と不条理な仕事のミスで、新人の私はとにかく地獄でした。
しかし、もう死にたい!と思うようなミスでも、いつか必ず昔話になり、笑い話になるのです。
みなさんも似たような経験があるとは思いますが、落ち込んだときこそ、そんな自分から脱却!するべく上手な対処方法を身につけましょう◎
さらに自分が新人時代のときと比べて、数年経過した時。先輩として、後輩の前で恥をかくこともありません。後々、後輩が自分と同じ状況に陥った際。そのときは自分の失敗談を語ったうえで、励ましながら育ててあげるという時期が必ずきます。そういう意味でも、今のアナタの失敗も全くの無駄ではないのです。
「私は課長になったけど、入社してから今まで数えきれないぐらい失敗していますよ。そのたびに落ち込んで、心を立て直して、同じ失敗は二度としないという気持ちでやってきました。みんなそうですよ。未熟なうちは逃げたくなるし辞めたくなると思いますが、誰もが通る道だと思ってがんばって」(42歳・ハウスメーカー)
仕事のミスから立ち直れないのは後悔と妄想のせい
起こったミスは仕方ないとわかっていても、ひたすら後悔して前に進めないことだってあるものです。特に自分が原因の大きなミスは、周囲に迷惑をかけた分、ひたすら自己嫌悪一直線となることもありますよね。
ある女性会社員が伝票金額の入力ミスにより、残高が合わない原因を探すだけのために、全社員が残業する羽目になった実例もあります。自分がミスをしたがために、他の社員を巻き込んでしまう大事態になってしまうと、その場にいる全員の精神面が攻撃されてしまうことでしょう。また、翌日からの出社が非常に気まずく、居心地の悪さは半端ないことこの上ないです。
仕事のミスをしたときに最も早く立ち直るには、「自分の失敗を丸ごと認める」必要があります。これは、実際にはとてもつらい作業です。
例え自分が悪くないと思っていたとしても、そのミスを受け入れなければならないのです。辛いお気持ちはわかりますが、現状を認めないことには次に進むことができません。それにミスを認めるということは、ご自身の精神的な負担を軽くするというメリットもあります。だからこそ、立ち直るためには必要な段階なのです。
著者にも覚えがありますが、失敗すると、後悔だけでなく「あぁ、あの人にダメなやつだと思われただろうなぁ」「あの人に軽蔑されちゃっただろうな」などと自己嫌悪の泥沼にはまり込んで、もう一生立ち直れないかもしれないと思うほど落ち込みます。
自己嫌悪だけで済めばまだしも。それが続いたり、どんどん悪い方向へ考えが進むと、今度はその職場自体が嫌になってしまう人も少なくありません。
しかし、これってほとんど頭の中の「妄想」なんですよ。もちろん、仕事のミスが誰かに迷惑をかけたのは事実です。
しかし、誰がどう思っているか、どう感じているかなんて推測してもまったく意味がありません。気持ちを切り替えて、誰にどう思われようと気にしないと決めることです。
仮に誰かからミスを指摘されたとしても、頭ごなしに責められたとしても、大丈夫です。そのときは素直に謝って、それから事情を説明して、話し合ってみてください。結果(相手の反応やミスの処理能力など)が、だいぶ違うはずです。
過去の過ちは変えられませんから、そこでいちいち落ち込んでいるのではなく、そのたびに向き合う姿勢が大事なのです。難しく思えるかもしれませんが、内容は至ってシンプルです。それができるようになれば、結果的に気持ちがとても楽になれます。
仕事のミスは、恥ではありません。むしろ次にあなたが名誉挽回するチャンスだと考え、周囲に遅れを取らないよう前を向きましょう。