「同じグループではあるが、完全な仲間ではない」とあなたは思っていても、「仲間意識さん」はあなたのことを「強くコミットしてくれる仲間」だと見なしています。

 仲間として認識されると、いざというとき協力しないと裏切り者とされてしまいます

派閥にどこまで参加するかを線引きする

 とはいえ、うかつに「仲間ではない」とはっきり表明すると角が立つので、自分なりの「仲間であることの示し方」を決めてみましょう。例えば、「〇〇大卒だからこそ、ラグビーに限らずいろいろな活動を応援したいんです」などと伝えるのです。

 意見を同じくすることだけが、仲間であることの証しとは限りません。仲間だからこそ、反対や批判することだってあるはずです。自分なりの仲間意識を表明することで、仲間であることをアピールしつつ、自分の意見も通すことができます。

 そうした自由な態度を維持する人が集団の中に増えていけば、多様な価値観でいることが許される居心地のいい仲間集団を作ることができるかもしれません。

みんなに仲間意識を求めてはいけない

 結束力の強い集団を求める気持ちは理解できますが、現代では仲間うちでまったく同じ意識を求めるのは難しくなっています。人によってその参加意識にはさまざまなグラデーションがあることを、一度冷静に見つめ直してみましょう。

「仲間だよね」と言ってツルむことを強要する、ウザい人との付き合い方
(画像=『女子SPA!』より引用)

仲間集団に貢献をしても、常に見返りやお返しがあるとは限りません。集団に過度な所属意識を持ったり、自分のアイデンティティを預けすぎたりしないことです。

 また、仲間ではないという理由で、知らず知らずに誰かをのけものにしていませんか? 排斥された人から、陰で恨まれたり妬まれたりしていないか注意しましょう。

 さらにビジネスの観点から言うと、仲間を大事にするあまり適切な相手と有効なビジネス関係を結べなかったり、内部闘争に明け暮れている間に貴重な機会を失ってしまうケースもしばしばあります。しがらみがもたらすリスクも考え、仲間集団への期待や傾倒はほどほどにしておいたほうがいいでしょう。

<文/石川幹人 イラスト/今井ヨージ> 石川幹人 1959年、東京都生まれ。進化心理学者、明治大学情報コミュニケーション学部教授、博士(工学)。東京工業大学理学部応用物理学科(生物物理学)卒。松下電器産業(現・パナソニック)で映像情報システムの設計開発、ホームページ知的検索システムなどの研究開発に従事したのち、通商産業省(現・経済産業省)の「第五世代コンピュータプロジェクト」に参画し、人工知能研究に従事。明治大学文学部教授、米国デューク大学客員研究員、明治大学情報コミュニケーション学部学部長、同大学院長を歴任。著書に『その悩み「9割が勘違い」』(KADOKAWA)、『生物学的に、しょうがない!』(サンマーク出版)、『いい人なのに嫌われるわけ』(扶桑社)ほか多数

提供・女子SPA!



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