ごく近しい範囲の「内集団」だけに属しているのではなく、社会で多くの「外集団」と協力して生活している現代人は、「仲間だけど仲間じゃない(所属はしているがコミットできない)」という葛藤がしばしば起こりやすいのです。

「仲間だけど仲間じゃない」という葛藤

 例えば、出身校が同じ仲間がいる職場で競争が生じて、仕事上、仲間以外の誰かを応援しなければいけないことになって気まずくなったり。

 あるいは、同じ出身地や趣味を持つことからなんとなく親近感を抱いて一緒に飲みにいっていた人たちが、職場の権力闘争によって仲間だけど競わなくてはならないジレンマに陥ったり。

「仲間だよね」と言ってツルむことを強要する、ウザい人との付き合い方
(画像=『女子SPA!』より引用)

このように現代では、「仲間」が多岐にわたり、複数のグループに所属するのが当たり前です。仲間ではあるけれども、別のグループにも仲間がいて、それらが対立している状態では、どちらを取ればいいのか悩むことになってしまいます。

何でも協力するわけじゃない、と宣言しよう

 現代社会では、同時にいろいろなグループに所属して、複雑な友人関係を構築することが一般的になっています。

 このような環境では、「仲間だけど仲間じゃない」状態を容認し、場合によって優先順位やランクをつけざるを得ません。逆に、完全に一体化した仲間を求めようとしても、どこかで破綻してしまいます。

 ですから、私たちは「一時的な仲間」や「限定的な仲間」という関係性のあり方を、もっと積極的に受け入れて慣れていく必要があります。

そのためにも、「同じグループの仲間なのだから、こうしなければならない」という仲間意識の限度設定を明確にする必要があるでしょう。

 例えば、「○○大学の会合に参加するときは、みんなが応援する人を支持するが、プライベートではしない」「自分の母校が最終戦まで勝ち残ったら、そのときは一緒に応援に行く」など、コミットする範囲を線引きするのです。

 自分が同じグループの仲間として協力する限界を表明して、事前に了解を取っておけば揉めることはありません。

 今後、無駄な派閥争いに巻き込まれないためにも、なんでもかんでも協力するズブズブの仲間集団ではないことを、あらかじめ共通の認識にしておくことが重要です。