「猫を迎えたいと考えているけれど、どうやって迎えたらいいの?」と悩まれている方も多いでしょう。

そこで今回は、猫を迎える方法と、それぞれのメリット・デメリット、押さえておきたいポイントを解説します。ご自身にあった猫を迎える方法を選び、準備をしましょう。

猫を家に迎える方法

猫を迎えるには以下のような方法があります。

・ペットショップから
・ブリーダーから
・公的な動物愛護(管理)センター・民間の動物愛護団体から
・その他:友人・知人から譲りうけたり、偶発的な出会い(迎えたいと思っている時に野良猫や子猫と出会う)など

どの方法がいいのでしょうか?

それぞれのメリットとデメリットを詳しく解説します。

ペットショップから

ペットショップで好みの猫を選んで購入する方法があります。

ペットショップから迎えるには、以下のようなメリット、デメリットがあります。

【メリット】
・直接見て、触れてから選べる
・多くの異なる純血種から比較して選べる
・必要なアイテムも一緒に購入できる

【デメリット】
・猫がストレスや不安を抱えやすい
・社会性にばらつきがある
・費用が高額になる場合もある

ペットショップには、様々な純血種の猫がいます。ご自身が迎えたいと思うお気に入りの子と出会える可能性が高い点が魅力です。 また、初めて猫を迎える人にとって、スターティングアイテムを購入できる点も便利です。

「何を揃えればいいのか?」「食事の量と回数は?」「トイレは?」「どうやってお世話をしていけばいいのか?」などと迷っている人にとって、店員さんのアドバイスは心強いと思います。 しかし、ペットショップによって環境はさまざまです。ペットショップで販売されている猫たちは、ブリーダー(生まれた場所)からペットショップへの移動など、幼いうちに様々な環境変化を経験するため、強い不安やストレスを抱えている可能性があります。

また、ペットショップの環境により猫の社会性にばらつきがみられることもあります。例えば、子猫同士の遊び時間を設けているペットショップでは社会性が身につきやすい傾向があります。一方、他の猫や人との関わりが少ない場合、社会性が乏しくなりがちです。 猫種や個体、そしてショップによって販売価格は異なります。人気の猫種であればかなり高額になる場合もあります。 ペットショップの衛生状態や管理の仕方などをよく見極めてから迎えることも重要です。

ブリーダーから

ブリーダーとは、一般的に特定の猫種を繁殖させ、販売している人のことを言います。迎えたい猫種が決まっている場合には、ブリーダーを探すのもひとつの選択肢です。

ブリーダーから迎える場合、どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

【メリット】
・流通費が削減される分、ペットショップよりも安価になりやすい
・猫の繁殖環境や飼育環境を見学できる
・子猫の生活環境や健康状態の確認ができる
・親猫を見れることで、成長した姿を想像しやすい
・特定猫種を多数繁殖させているので、選択肢が広がる
・種特有の相談にも乗ってもらえる

【デメリット】
・特定の猫種しか扱っていないことが多い
・ペットショップのように気軽に見学できない(予約制が多い)
・ブリーダーの質などを見分けにくい

ブリーダーから迎える最大のメリットは、親猫や兄弟猫の様子を含め子猫の飼育環境や健康状態を確認できることです。そのため、比較的健康な好みの猫と出会える可能性が高いと言えます。親猫や兄弟猫と過ごせる環境は情緒の安定や社会性を身につける助けになります。また、オークションやペットショップなどを経由せずに購入できるので、ペットショップと比べて費用を抑えられる場合もあります。猫種特有の飼育方法などを、直接質問できる安心感もあります。

デメリットとしては、希望の猫種のブリーダーが身近にいない場合も多く、見学やお迎えに移動時間と費用がかかることがある点です。利益優先のため劣悪な環境で繁殖・飼育しているブリーダーも散見されます。人との関わりが少ない環境で育った猫は、社会性を身に付けにくい傾向があります。事前に口コミなどをリサーチし、見学時には飼育環境や猫たちの様子を注意深く確認して信頼できる人かを見極めた上で購入を決めましょう。

公的な動物愛護(管理)センター・民間の動物愛護団体から

近年、メディアで取り上げられることも多く、よく耳にするようになった保護猫ですが、動物愛護(管理)センターや動物愛護団体が開催する譲渡会、保護猫カフェなどから迎えることができます。迎える時は以下のようなメリットとデメリットをよく理解してから選択肢に入れましょう。

【メリット】
・猫の性格や飼い方などを事前に教えてもらえる
・トライアル期間がある場合には、先住猫との相性や、一緒に暮らせるかを確認できる
・費用を抑えることができる
・不幸な猫を減らす一助となる

【デメリット】
・疾患や問題行動を抱える猫が多い
・年齢や育った環境がわからないことが多い
・飼育に特別な理解と技術が必要な子もいる
・猫種や年齢など希望する猫に出会えないことが多い
・譲渡を受ける側の条件(年齢や住環境など)により、譲渡を受けられない場合もある

保護猫の中にはネグレクトや虐待を受け、心に傷を抱えている猫もいます。そのため、慣れるまでに数か月や数年かかることもあります。団体によっては、譲渡前に飼育やしつけなどの講習会受講を義務付けたり、保護猫との相性を見るためのマッチングテストやトライアル期間を設けたりしています。

こちらの希望通りの猫を迎えられるとは限りません。しかし、これは新しい環境での保護猫の幸せな生活を実現するために必要なことです。保護猫と暮らすには、そのような難しさや条件があることを頭に入れ、十分に理解することが重要です。

保護猫はペットショップよりも費用が掛からないイメージを持っている方も多いと思います。しかし、譲渡までの飼育費用やワクチン代、不妊・去勢手術費用などの負担が必要な団体もあります。費用を抑えたいといった安易な理由で保護猫を迎えることはやめましょう。

その他

猫を迎えようと積極的に行動をおこしていなくても、友人や知人が飼育困難になった場合や子猫が生まれた時に譲り受けるケースもあります。また、庭や家に迷い込んできた猫と暮らし始めるケースもあります。

このようなケースでも安易に暮らし始めるのではなく、猫の身体や行動の特性を知ったうえで、生活を楽しむようにしましょう。