5.愛犬にワクチン接種させるタイミングはいつ?

犬の予防接種についてスケジュールや種類、副作用を解説!
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

混合ワクチンは、生後2か月頃が1回目のタイミングです。
その後は約3~4週間後おきに接種。3回接種が終わった後は年1回接種するのが一般的です。

しかし近年、免疫の付き方に個体差があるという研究結果が報告されました。
混合ワクチンは一度に複数のワクチンを接種できますが、その持続性は犬によって異なるというわけです。効果が持続しているコアワクチンは毎年打つ必要がありません。
ただし、狂犬病ワクチンとノンコアワクチンは効果が持続しないため、年1回の接種が必要です。

犬の抗体検査について

犬の抗体検査とは、犬が持っている抗体量を測る検査です。

混合ワクチンによって複数のワクチンが体内に入ります。しかし、コアワクチンAの抗体量は3年以上持続し、コアワクチンBの抗体量は約1年で減少する、というように犬によって差があることがわかったのです。

狂犬病やノンコアワクチンは効果が持続しないため年1回の接種を必要としますが、抗体が一定以上あるコアワクチンは接種の必要がありません。
抗体検査によって、必要なワクチンを必要なタイミングで受けさせることができるのです。

ワクチン接種は感染症から愛犬を守るために必要ですが、副作用の可能性はゼロではありません。
必要以上にワクチン接種をさせないために抗体検査は有効です。

6.狂犬病の予防接種はいつ受けることができる?

4月1日から6月30日に受けるのが基本です。
地域によって差はありますが、登録した市町村から案内が届きます。

公園や広場で実施される集合注射を利用しても良いですし、かかりつけの動物病院で接種しても良いでしょう。費用は、集合注射で3,000円程度。動物病院で接種する場合は、病院によって費用が異なりますので事前にご確認ください。
いずれも予防接種後に「注射済票」が発行されます。

7.混合ワクチンで予防できる感染症の種類は?

混合ワクチンは、2種から11種まであり、すべての犬にとって危険な感染症を防ぐ「コアワクチン」だけを混合したものと、地域や生活環境に応じて接種することが望ましい「ノンコアワクチン」と「コアワクチン」を組み合わせたものがあります。

【犬の混合ワクチンで予防できる感染症】

2種 3種 4種 5種 6種 7種 8種 10種

コアワクチン

犬ジステンパー

犬伝染性肝炎

犬アデノウイルスⅡ型

犬パルボウイルス

ノンコアワクチン

犬パラインフルエンザウイルス

犬コロナウイルス

犬レプトスピラ(イクテモヘモラジー)

犬レプトスピラ(カニコーラ)

犬レプトスピラ(グリポチフォーサ)

犬レプトスピラ(ポモナ型)

コアワクチンで予防できる感染症

犬ジステンパー

致死率50~90%の恐ろしい感染症です。有効な薬がないため、治療は脱水を防ぐ点滴といった対症療法が中心。

犬伝染性肝炎

軽傷の場合は鼻水が出る程度ですが、子犬においては致死率の高い病気です。元気消失、食欲消失、嘔吐、下痢、発熱、扁桃腺の腫れ、角膜の白濁などが主な症状です。

犬アデノウイルスⅡ型感染症

感染力が強いうえに、子犬の場合は致死率が高いので注意が必要です。咳、くしゃみ、鼻水、発熱、食欲不振が主な症状。他のウイルスや細菌との複合感染によって肺炎を起こす可能性があります。

犬パルボウイルス感染症

激しい嘔吐や下痢によって脱水症状を起こすため、入院して治療します。脱水防止の点滴を行うほか、腸内細菌による感染を抑える薬などで治療します。

ノンコアワクチンで予防できる感染症

犬パラインフルエンザウイルス感染症

犬アデノウイルスⅡ型と同様、感染力の強い感染症です。咳、くしゃみ、鼻水、発熱、食欲不振が主な症状。他のウイルスや細菌との複合感染によって肺炎を起こす可能性があります。

犬コロナウイルス感染症

感染力が強く、犬パルボウイルスとの複合感染で重症化する可能性があります。下痢、嘔吐が主な症状。有効な薬はないため、脱水防止の点滴や下痢止めの投薬などの対症療法を行います。

犬レプトスピラ感染症

重症化しやすく致死率の高い感染症です。そのため治療費は高額にのぼることも。重症化すると腎不全や肝不全を引き起こすため、各種検査のうえ抗生剤や利尿剤を投与します。

混合ワクチンの種類の選び方は飼育環境次第!

犬の予防接種についてスケジュールや種類、副作用を解説!
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

愛犬に適した混合ワクチンは、ライフスタイルによってさまざまです。
ほとんど家から出ない子、散歩で外出する子、キャンプやドッグランでよく遊ぶ子では、感染リスクが異なります。
ふだん散歩をしている場所が、ビルの立ち並ぶ都会なのか、自然あふれる田舎なのかによっても変わってくるでしょう。

さらに、地域で感染症が流行している可能性も少なくありません。外出の頻度、他の犬と接する頻度、アウトドアレジャーの頻度をまとめておき、かかりつけの獣医師に相談しましょう。