「雇用者数」はどう変わったか?

雇用者数の動向は2年の間にどう変化したでしょうか。

結論から言えば、雇用状態はコロナ禍で悪化した状態からあまり回復していません。

たとえば、2021年7月~9月期の雇用者数は2年前の同じ時期より約46万人少なくなっています。

また、外出関連4業種(宿泊業、飲食店、その他生活関連サービス、娯楽業)の雇用者数は、感染拡大が断続的に続く影響で2021年も減少し続けています。

その一方で、外出関連4業種を除く業種は、2021年より雇用者数がコロナ前より増えており、業種差が大きくなっています。

「所得」はどう変わったか?

所得の動向についても見ていきましょう。

2020年は、現金給与額が大きく減少しました。2021年は回復傾向にあるものの、まだコロナ前より悪い状態が続いています。

その背景として、コロナ禍の影響で外出関連4業種を筆頭に多くの企業で業績が悪化したことが挙げられます。ただ、今後は経済活動の再開とともに少しずつ給与額が増加する可能性もあります。

今後の日本経済の見通しは?

以上のことを根拠に、三菱総合研究所では「2022年の実質GDP成長率は2021年比プラス2%台半ば」とし、コロナ前(2019年10-12月期)の水準に戻る時期は2022年前半になると予測しています。

ただ、このレポートが出た後の2022年2月にロシアがウクライナへの侵攻を始めました。世界情勢はどう動いていくのでしょうか。日本を含む世界経済の行方が読めない状況が続きます。

文・大岩楓
元銀行員ライター。預金・為替業務に長く携わった経験をもとに、節約などの記事を多数執筆。現在はジャンルを広げて教育系の資格を生かした記事まで幅広く執筆。

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