世の中には美容法や健康法が溢れていて取捨選択するのが大変なほどですが、美容難民、万年ダイエッター、健康オタクさんほどヨガをすればいいのに……と思ってしまいます。
なぜならどんなに最新の美容法や健康法もそのルーツはヨガにあるのでは? と思えるくらい、ヨガの叡智でカバーできないことがないからです。
ここでは近年話題の美容法や健康法から、ヨガがルーツと思えるものについてご紹介していきましょう。
ヨガから学べる話題の美容法
膣締めるだけダイエット、肛筋トレーニング
「くびれ母ちゃん」で大ブームになった「膣締めるだけダイエット」。
姿勢全体を矯正するメソッドではありますが、メソッドの本丸はインナーマッスルである膣を含めた骨盤底筋の引き上げになります。
お尻から恥骨の間にハンモックのような形で存在し、内臓を支えてくれているのが骨盤底筋群。
この骨盤底筋を膣より上の方向に向かって引き上げていく呼吸法を行うことによってウェストにくびれができるだけでなく代謝が上がり、また背骨を伸ばした姿勢をキープしやすくなるのです。
また、肛門を締める「肛筋ストレッチ」というメソッドもありますが、肛筋も骨盤底筋群に含まれるので、メカニズムはほぼ同じです。
背骨が伸びることによって複数の健康効果が得られるだけでなく身長が若干伸びる(縮んでいた場合に伸びるという意味)、ヒップアップする、バストがアップする首が長くなる二の腕が細くなるといった、さまざまなボディメイキング効果が得られるのです。
ヨガではバンダを使った呼吸法を行いながらヨガのポーズを練習することでほぼ同じ効果が得られます。
また、先生によっては「会陰を引き締めて」とか「肛門を引き締めて」とより具体的に誘導してくれるはずです。
私としては「膣締めダイエット」がブームになったことで、改めてバンダの有用性に気づかされました。
16時間ダイエット・月曜断食・プチ断食など
プチ断食にはいろいろな方法があり週に1回断食の日を設ける「月曜断食」や、16時間ダイエット(朝ご飯を抜く)などが最近のブームです。
あるいは、スムージーや酵素ドリンクなどによるさまざまなクレンズもプチ断食の一種として人気です。
これらももともとはヨガやアユルベーダによる食事療法の考え方と同じだと思います。
午前中は排泄の時間であるため、排泄に時間をかけ胃腸を休ませることでさまざまな健康効果が得られるのです。
近年は、短い時間であっても空腹状態をしっかり感じる(作る)ことによって、体内で健康長寿に関係する遺伝子が活性するのではないかというメカニズムまで解明されつつあります(サーチュイン遺伝子活性説)。
もちろん断食は体重の減少やボディーメイクにも効果がありますし、他にもアレルギー症状の緩和やお通じの改善など実にさまざまな効果が報告されているのです。
断食によって体を飢餓状態にすることで体が本来持っている機能や自然治癒力、あるいは遺伝子の力を活性できることは、ヨガを学んでいる人にとってはごく当たり前の知識だと思います。
また実際、ヨギーは朝ヨガを練習する人が多いので、朝は食べない、とか日頃から粗食、など、プチ断食状態を無理なく実践している人が多いと思います。
美肌効果抜群の話題の「オイル美容」
スキンケアのフィールドでは、ここ数年「オイル美容」が話題です。
化粧水の前に使う美容オイルのことをブースターと呼び、美容上級者の多くがブースターを使うことを薦めています。
本来肌の表面は脂溶性であるため化粧水など水溶性のものをいきなり馴染ませるよりも、先にオイルをなじませると、オイルはスムーズに肌に吸収され肌は柔らかくなります。
オイルで肌全体を柔らかくしておくことは「呼び水」の役割を果たすので、その後肌に入れる化粧水や美容液がより浸透しやすくなるというメカニズムです。
他にもこれとは逆の順番になりますが、化粧水を塗布した後に美容オイルを使うことによって化粧水を蒸発させない「蓋」のような役割を担わせることもできます。
オイル美容は乾燥肌の人だけでなくアンチエイジング効果が高いので、アラフォーが見えてきたらオイルをスキンケアに上手に取り入れる事はかなり有効だと言えるでしょう。
また近年はマッサージやボディケア、ヘアケアにもクリームより、オイルの方が断然に人気。
ヘッドマッサージオイル、デリケートゾーン用オイルなどにも注目が集まっています。
オイルのとろみが肌に触れるだけでも気持ちがいいですが、全身を滑らかにオイルでケアすることは癒しだけでなくデトックス効果があることはアーユルヴェーダでもよく知られていることです。
アーユルヴェーダではまさに頭の先から足の先まで「オイルまみれ!」になる施術をしてもらえます。
眼球や眉間もオイルまみれになりますが、その効果は絶大なので、最近流行っている「オイル美容」についても異論はありません。