皆さん、こんにちは。
今週のトピックは、「サンプル文のポストエディット・解説」です。
弊社では、ポストエディット案件の場合、「ポストエディット→第三者によるダブルチェック」というフローで作業を進めています。本記事では、ゲストの皆さんにポストエディットしていただいた訳文を弊社チェッカーのフィードバックをもとに解説いたします。あくまでも弊社の基準ではございますが、ぜひご一読ください。
ゲストの皆さんには、NASAのウエブサイトから抜粋した文章を【指定時間20分】でポストエディットしていただきました。
こちらが、原文と機械翻訳(ポストエディットなし)の訳文です。
チェックの際は、以下4点をメインに確認しました。
<確認ポイント>
- 誤訳・漏れ・抜け
– no earlier thanは「~目でに」ではなく「~以降に」という意味です。
– the agency’s=「委託企業の」が抜けています。この表現があると、NASAとSpaceX社の関係が明確になります。
– NASA’s Kennedy Space Centerの「NASA」が抜けています。日本語としては無い表記で定着しているため、なしでも問題ありません。 - 翻訳調の直訳・明らかに違和感のある表現
– their crewmates=「そのクルー」は直訳調のため、ポストエディットであっても工夫が欲しい箇所です。 - 文体(翻訳調の文体も許容)
※但し、無生物主語の修正(「XがYを可能にする」→「XによりYが可能となる、できる」程度の修正)は希望 - 検索必須用語(原文の青ハイライトは検索対象、緑ハイライトは検索対象外)
– Commercial Crew(商業乗員輸送)、expedition(長期滞在)は、押さえていただきたい用語です。
– reassignedの正確な訳は、この抜粋記事の前後の情報が必要となります。リサーチに時間がかかるため、ポストエディットでは「再任命」のままで問題ありません。
それでは、訳文①から順に見ていきましょう。
青字下線は翻訳者さんが修正された箇所、黄色がハイライトは弊社チェッカーが修正した箇所です。また、緑ハイライトはポストエディット超え(指定時間内では対応が難しい)と判断した箇所です。
訳文①
訳文②
訳文③
ポストエディットであれば、訳文①②が妥当な品質かと思います。訳文③は、非常に丁寧ですが、20分という指定時間では対応しきれない細かい部分も修正いただいています。実際に、訳文③の作業時間は30分とのことでした。品質が高ければ高いほど、クライアントに喜んでいただけることに間違いありませんが、指定時間を上回ってしまうと、翻訳者さんには不利な条件となってしまいます。
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