地方移住して農業を始める場合、収入と支出はどれくらいになるのでしょうか?山形県に移住して農業を始めた40代夫婦+13歳の子供との3人暮らしのリアル家計簿を例に、都会より増える支出、減る支出を解説します。

山形県に移住して農家歴20年!リアルな家計簿を公開

所得 400万円/年 ※農業での売上は約1100万円
支出の合計 385万4600円/年
住居費(修繕費) 3万円/年
水道光熱費 24万円/年
上下水道 3万6000円/年
電気代 9万6000円/年
ガス代 4万8000円/年
灯油 6万円/年
保険料 37万4000円/年
自動車保険 5万円/年
国民年金 39万円/年
健康保険・介護保険 37万4000円/年
医療費 5万円/年
教育費 166万円/年
食費+日用品 48万円/年
通信費 21万6000円/年
携帯 9万6000円/年
固定電話+ネット 12万円/年
ガソリン代 6万円/年
娯楽費(本など) 6万円/年
交際費(町会費など) 8万5000円/年
住民税 12万円/年
自動車税 3万9600円/年

※教育費は大学生の子ども2人分の仕送りも含めた金額

地方移住して、農業を本業にして暮らすと、どれくらいの収入と支出になるのでしょうか?20年前に山形県に移住した、現在40代の夫婦+子ども13才の3人暮らし(+別居で大学生の子ども2人)をしているUさんの家計簿を例が上記の表になります。

上の表から増える支出、減る支出に注目して田舎暮らしの家計を解説していきましょう。

地方移住で増える支出は?

地方移住した家族の家計例(40代夫婦+子供の3人暮らし編)
(画像=『移住支援.com』より引用)

Uさんの家計簿から、田舎暮らしで都会より増えがちな支出を解説します。田舎暮らしではスーパーに行くのも病院に行くのも車です。毎日乗るようになるので、自動車関連費は増えます。また、寒冷地では、暖房費などの光熱費も上がります。

自動車税・自動車保険

Uさんの家計簿では、自動車保険が年5万円にのぼります。地方では、車を1人1台持っている家庭が多く、毎年支払う自動車保険、自動車税はもちろん、数年に一度は車検費用やタイヤ代も1台ずつかかります。そのため、2台目は軽自動車にするなど。各家庭で工夫をしています。

ガソリン代

ガソリン価格は上下しますが、仮に150円/Lのガソリンを給油して、燃費10㎞/Lの車で月300㎞(1日10㎞)走行すると、ガソリン代は月に4,500円に。

片道5㎞の職場を毎日往復するだけでも、2台所有すれば月9,000円かかります。3人家族で月5000円のUさんは、ガソリン代を節約しているほうといえます。

灯油代

都会の家計簿にはあまり登場しない「灯油代」。冬が寒い地方では、暖房はエアコンよりも速く部屋を暖められるストーブが必須です。灯油は、石油ストーブの燃料として消費します。

さらに、ボイラーの給湯器を利用する地域は、灯油を燃料にするため、さらに消費量が多くなります。冬が寒くて長い地方に移住する場合は、家計に灯油代がプラスされます。

地方移住で減る支出は?

地方移住した家族の家計例(40代夫婦+子供の3人暮らし編)
(画像=『移住支援.com』より引用)

都会生活と比べて、田舎暮らしで減りがちな支出は、住居費と娯楽費。家計簿で大きなシェアを占める項目が減らせるのは、とても助かりますね。Uさんの家計簿を参考に解説します。

住居費

地方は、土地や家賃が都会より安いので、住居費が抑えられます。Uさんの住居費は、修繕費を入れても年3万円に収まっています。

繁華街から離れている農村エリアに住むと、毎年払う固定資産税に大きな差が出てきます。ただし、地方でも駅近くの繁華街は、意外と家賃が高いので、住む家と場所は慎重に選びましょう。

食費+日用品

3人家族で食費と日用品の合計が月4万円のUさん。農家ならではの数字です。Uさんのように、米、野菜を自家製でまかなえると、大きな節約になります。

ただし、地方でも、米や野菜を買うとなると、店頭価格は都会とそれほど変わりません。家庭菜園で野菜を作ったり、ご近所からいただく機会がない移住者は、食費があまり減らないことに愕然とするケースが多いようです。

娯楽費

Uさん家族の娯楽費は月5000円。家族で図書館へ行くのが娯楽だそうです。一般的に、田舎には、お金をかけずに楽しめる娯楽がたくさんあります。

河原でキャンプ、釣り、山登り、星空観察など、道具さえあれば無料で何度でもできることばかりです。また、公共施設が安く、都会より予約しやすいことが多いため、テニスやサッカーなどのスポーツも気軽に楽しめる環境が整っています。