【プロフィール】
武居ちひろ Chihiro Takei
数々のクライアントから指名を受け、テンナインも絶大な信頼を寄せる英日翻訳者の武居さん。実はテンナインで社内チェッカーとしてキャリアをスタートさせました。「この人に翻訳をお願いしたい!」と思わせる売れっ子翻訳者の秘訣は何なのか。今回の翻訳者インタビューは、翻訳部ディレクター・松本が、旧知の仲の武居さんにフランクな雰囲気でお話を聞いてきました。

信頼される翻訳者の秘訣
(画像=『HiCareer』より引用)

【インタビュー記事 Part 1】
松本:まずは武居さんの原点をお聞きしたいです! 翻訳者を目指したきっかけを教えてください。

武居:翻訳者になろうと思う前に、翻訳に触れる機会が何度かあったんです。たとえば、大学卒業後、早稲田松竹という高田馬場の映画館で働いていたときに、「英語ができるなら字幕翻訳をやったら?」と先輩にアドバイスされたことがあって。幼少期にアメリカに住んでいたこともあり、英語は少し得意だったので「なるほど!そんな道もあったか!」と思ったんですよ(笑) 映画館で仕事をしながら、日本映像翻訳アカデミーの通信講座を受けました。その頃は、まだ本気で翻訳者を目指していたわけではありませんでした。

松本:その後カナダに留学されていますね?

武居:キャリアアップをしたいと思いながらも、何を目指していいのかわからず、仕事を辞めてワーホリでカナダに留学することにしました。今思えば、自分探しの旅でしたね。映画の仕事を続けるにしても、英語ができれば役に立つだろうと思いました。それに、中途半端だった自分の英語力をできるかぎり高いレベルまで上げたかったんです。

松本:どのような勉強をされたのでしょうか?

武居:最初にオタワ大学のESLコースに3か月通い、その後、トロントにある翻訳学校に入学しました。実務翻訳のさまざまな分野を3か月で網羅するというスパルタコースで、そこで教わった日本人の翻訳者の先生に「あなたは翻訳者になれる」と言われたんです。その言葉を真に受けて、本気で翻訳を志すようになりました。

松本:その先生との出会いに感謝ですね。スパルタ授業とはどんな感じだったのでしょうか?

信頼される翻訳者の秘訣
(画像=『HiCareer』より引用)

武居:授業のあとも夜中まで勉強しないと終わらないくらい、大量の課題が出ました。それも、製薬や特許などの実践的で難解な内容でしたね。単語テストが毎日あり、新聞記事の1パラグラフを分解して精読したり、さまざまな記事を翻訳したりしました。わずが3か月でも、ずいぶん力がついたと思います。フィードバックも厳しく「これは意味不明です」とはっきり指導されました。本当に貴重な出会いで、先生が背中を押してくれたおかげで翻訳者になれたと思っています。修了後はインターンとして採用してもらい、先生のもとで翻訳料をいただきながら仕事をしました。

松本:テンナインとの出会いはいつ頃だったのでしょうか?

武居:ワーホリの終盤には貯金が底をつきそうで、帰国したらすぐにでも働く必要がありました。それで翻訳エージェントを調べていたときに、ハイキャリアの記事を見つけたんです。最低3年の実務翻訳経験を応募条件にしている会社が多いなか、テンナインは経験を問わず応募できるようでした。サイトの雰囲気もかわいかったので、思いきって応募してトライアルを受けたところ、合格をいただきました。

松本:最初は弊社でチェッカーのお仕事をされていますよね?

武居:翻訳業界の右も左もわからないなか、帰国後いきなりオフィスに呼ばれてびっくりしました。私が仕事をいただく立場なのに、コーディネーターの方が私の今後のキャリアを考えて、チェッカーとして働かないかと提案してくださったんです。面接ではいきなり工藤社長も顔を出してくださいました。すごくかわいらしいファッションで(笑)「大丈夫だから、うちにいらっしゃい」とおしゃってくださいました。「なんだ、この会社は!?」って衝撃を受けましたね(笑) そう言ってくださるなら断る理由もないなと、ありがたくお受けすることにしました。テンナインがこうして若手の育成に力を入れてるのは、本当にすごいことだと思います。