東京・上野公園内にある国立科学博物館は、明治10年に創立された長い歴史を持つ博物館です。自然・科学に関するさまざまな展示が行われていますが、膨大な展示は何から見ればいいか迷ってしまうもの。そこで今回は国立科学博物館に取材に行き、広報の土屋さんにおすすめのフロアと展示物を聞きながら巡ってきました!
大きなクジラやD51がお出迎え!
国立科学博物館は、上野公園内、国立西洋美術館の隣にあります。1931年に建設された「日本館」と、新しい「地球館」の2つの建物からなっています。
公園の一番外側、道路に面した場所には、ものすごく大きなクジラの像があります。
これは地球上に生息する中で最大の動物、シロナガスクジラの実物大模型。全長30メートルの巨体を海に潜らせている様子です。
1975年まで走行していた蒸気機関車、D51の実際の車両も展示されています。「デゴイチ」の愛称で今も多くの人に親しまれている車両です。近くで見ると大きくて迫力があります。
国立科学博物館の展示は、1年通して展示を行っている「常設展」と、テーマに即した展示を行う「特別展」にわかれています。「特別展」をしっかりと見ると「常設展」を見る気力がなくなってしまうこともしばしば。でもせっかく来たのだから、見ておかないともったいない!という場所を紹介していただきました。
美しい建物も必見「日本館」
まずは「日本館」のおすすめスポットです。この建物は1931年(昭和6年)にできたもので、80年以上の歴史があります。
ネオルネサンス様式の建物
この建物はネオルネサンス様式を基調とした建物で、当時の科学技術の象徴だった飛行機型のデザインです。天井を見上げると、ドーム型になっている白亜の屋根とステンドグラスに気づきます。どこか聖堂のような雰囲気も漂わせる、美しい建築です。国の重要文化財にも指定されています。
ライトにもレトロモダンのセンスを感じられます。「晴れた日には、天井のステンドグラがいっそう美しく見えますよ」と土屋さん。ベンチもあるので、展示を見つつここでゆっくりするのもよさそうです。
2階 日本人と自然
ここで見ておきたい展示が2階の「日本人と自然」。まず目に入るのは、日本の人口の変遷をあらわした展示です。
これは肉眼で見るとよりわかりやすいのですが、どんどんと人が増えていったのだなということがわかります。
日本人と言っても、時代によりその生活様式や服装、身長なども変化していきます。その移り変わりがひと目でわかるのがこちら。港川人、縄文人、弥生人、中世人、近世人、現代人に分かれています。
おや?「現代人」の項目はケースが空っぽです。
実はここ、撮影スポットになっています。というわけでケースに入ってみました。自分が展示の一部になったような、ちょっと不思議な気分です!
人々の生活に密接に関わっている、家畜やペットなどの剥製も展示されています。
可愛い犬がいる、と思ったら、なんとこれは「忠犬ハチ公」のハチそのものの剥製だそうです。こんなところにいたとは!凛々しい姿で主人を待っていた、そのままの姿です。