子犬を迎えたら、まず取り組みたいのがトイレトレーニングです。「トイレはここ!」と教えても、思ったようにしてくれず、たびたびの失敗に、ストレスを抱えている飼い主さんも少なくないと思います。でも、ちょっと犬の目線になって、トイレ環境やほめ方を見直してみると案外簡単に成功に導くことができます。
トイレトレーニングは犬との絆づくりに大切なコミュニケーションの1つです。犬の習性をもとに、効果的なトイレトレーニングの方法をお伝えします。
1.犬のトレーニングの基礎!トイレの場所は教えないとできない
犬をお家に迎えた時、こちらのして欲しいことが伝わらずコミュニケーションの取り方に悩み、困られる方が結構います。そんな飼い主さんの困った表情を見て、子犬も同じように困っているのかもしれません。
特に排泄は重要な生理現象のため、犬はしたい時にしたい場所でしてしまうのは当然のこと。決めた場所以外で排泄したからと叱ってしまうと「人がいる時は排泄してはいけない」と多くの犬は勘違いしてしまいます。さらにそのことは人に対する不信感や恐怖心を抱くきっかけになったり、大きなトラウマにもなったりしかねません。
お家に来た時からトイレでできる子もいますが、できない子もたくさんいます。人も犬もお互いが心地よく一緒に暮らすためには、お家に来たらすぐにトイレトレーニングを始めましょう。
初めから覚えている子もいるのに……
「うちの子は最初からトイレシーツでできた」と聞けば、飼い主さんは不安になってしまうでしょう。しかし、最初からできたのは、ペットショップやブリーダーさんが先に教えてくれていたからです。
トイレトレーやトイレシーツは人間が作ったものですから、生まれつき知っている犬はいません。トイレトレーニングは、犬と暮らすうえで必要なことだと思っておきましょう。特にオシッコの回数が多い幼少期(子犬期)は、トレーニングを始める良い時期です。
2.子犬を迎えたらすぐに始めたいトイレトレーニングの方法
犬のトイレトレーニングで大切なポイントは「失敗しない環境をつくる」「タイミング良くトイレに誘導する」「成功したらすぐにほめる」の3つです。
まずは、現在のトイレ環境が子犬にとって排泄しやすいものかを見直してみましょう。
失敗しない環境をつくる
トイレトレーニングでまずやることは、子犬が排泄したくなるトイレ環境を用意することです。子犬は、じゅうたんやマット、タオルや洗濯物など吸水性のある素材をトイレと間違いやすく、トイレシーツでの排泄を覚えるまでは、そのようなものを子犬の行動範囲からは一旦除けておくことが成功への近道です。そして、最初はトイレシーツを広めに敷くなどして成功率を上げる方法が効果的です。
また、非常に重要なポイントですが、犬は飲み食べする場所、寝る場所から離れたところで排泄する習性があります。そのため、子犬の成長に応じて生活空間を広げてあげることもトイレトレーニングを成功させるうえでとても大切です。
ドアや窓の近くでの排泄を好む習性もあります。そういった場所で失敗が多いのであれば、その付近にトイレを追加設置するのも良いでしょう。
まずは、犬の習性をうまく活用して、トイレの設置環境の見直しから始めていきましょう。
タイミング良くトイレに誘導する
子犬が排泄しそうなタイミングでトイレに連れて行きます。子犬が排泄しやすいのは、寝起き、飲み食べした後、遊んで興奮した後、お部屋を移動した後などです。
起きて活動している際は、ひんぱんに排泄するため、トイレで排泄させてから行動範囲を広げるようにしましょう。
サークルから出して遊ばせている間は、トイレの失敗が起こりやすくなります。目安として生後2~3カ月頃の子犬なら30分ごと、生後3~4カ月頃なら1時間ごとにトイレに連れて行くとうまく成功するでしょう。
また、子犬が床の匂いを嗅ぎ始めたり、急に人から離れたところに移動しようとしたりする様子が見られたらトイレサインかもしれません。トイレの成功には子犬の観察がとても重要です。目を離す際はサークルに戻すなどしながら成功率アップを目指しましょう。
もちろん、子犬が気持ちよく寝ている時に無理に起こす必要はありません。排泄のタイミングがつかみにくい時はトイレ日記を付けてみるのがおすすめです。
成功したらすぐにほめる
タイミング良くトイレに連れて行き、排泄し始めたら「おりこう」などのほめ言葉を言い、排泄し終えたらすぐに犬の口元に好物の食べ物を運びましょう。犬はごほうびの直前の行動と結び付けて学習します。
排泄し終わってすぐ(2秒以内が理想)にほめるために、トイレのそばにごほうびの食べ物を用意しておきましょう。大きな声を出したり、犬の頭を上から撫でたりなど、犬が驚くようなほめ方は逆効果なことがあります。「ほめ言葉と好物の食べ物」をセットにしたほめ方は犬に伝わりやすく、トイレの成功率が上がります。さらに、排泄しそうな時に「ワンツーワンツー」などの掛け声を習慣づけておくと条件反射で排泄を促しやすくなるのでおすすめです。
トイレサインが見られたらトイレに誘導し、うまくできたらほめるの繰り返しで成功に導いていきましょう。
トイレ日記の付け方
子犬の排泄のタイミングがうまくつかめない時はトイレ日記を付けてみましょう。
おすすめの記録内容は、①排泄した時間、②排泄した場所、③オシッコかウンチか、④自分でトイレに行って排泄したなら◎、飼い主さんがトイレに連れて行って排泄したなら〇、トイレ以外の場所で排泄したなら×、⑤排泄前の出来事(例えば、遊んだ後、食事の後など)、⑥その日の成功率。
1週間ほど記録を付けてみると子犬の排泄の傾向がつかめ、タイミングを逃さずトイレに誘導しやすくなります。成功率が上昇しない場合には、トイレ環境に改善が必要かどうかの指標にもなります。
3.犬のトイレトレーニングにおすすめなトイレトレーは?
トイレトレーは、犬の体長の2倍から3倍のものを選びましょう。超小型犬ならレギュラーサイズ、ミニチュアダックスフンドやトイ・プードルならワイドサイズを。
足を上げてオシッコをする子には、L字型のトイレトレーやポール付きのトイレトレーがあります。クルクル回ってから排泄する子もいるので、余裕のあるサイズを選んでください。犬によって、高さの好みに違いはありますが、縁のあるトイレトレーは床との違いがわかりやすく、トイレトレーニング開始時にはおすすめです。