都内には大小数えきれないほどたくさんの神社があります。今回はその中から富士山参りができる鳩森八幡神社や、お天気の神さまを祀る気象神社など、思わず誰かにおしえたくなる4つの珍しい神社をご紹介します。
【1】鳩のおみくじと富士山参りの「鳩森八幡神社」/渋谷区千駄ヶ谷
千駄ヶ谷にある鳩森八幡神社は、応神天皇(おうじんてんのう)と神功皇后(じんぐうこうごう)を祀る神社です。境内では、神社の名前にふさわしいおみくじをひくことができます。その名も「鳩みくじ」。その可愛らしいフォルムに見ただけで気持ちも上がります。運気もきっと上がるかも!箱に入ったたくさんの鳩の中から、これぞという1羽を選んでみましょう♪
そしてこの神社には、鳩みくじのほかにもうひとつ、おすすめのものがあるんです。それは境内に円墳状に盛り土をしてつくられた「千駄ヶ谷の冨士塚」。上まで登ることによって、富士山に登って参拝したのと同じご利益を得られるとされています。
富士山は古くから山そのものがご神体と崇められ、信仰の対象とされてきました。江戸時代には人々の間で「富士詣で(ふじもうで)」が流行し、多くの人々が富士山に登ってそのご利益にあやかろうとしたのです。
でも富士詣でには莫大な費用がかかる上、日数や体力も必要です。加えて当時の富士山は女人禁制でした。そこで女性やお年寄りなど富士山に登拝することができない人たちが、手軽にお参りできるようにと富士山を模してつくられたのが「富士塚」なのです。
鳩森八幡神社の富士塚は寛政元年(1789年)につくられたといわれ、1981年に都指定有形民俗文化財に指定されました。山頂には奥宮、富士塚の麓には里宮(浅間社)が配されており、頂上近くには富士山の溶岩が置かれています。まさに富士山を忠実に再現した富士塚といえるでしょう。
【2】天気の願い事ならココ!全国で唯一の「気象神社(高円寺氷川神社)」/杉並区高円寺
JR高円寺駅からほど近い場所にある「高円寺氷川神社」。鎌倉時代の建立とされ、長きにわたり地域に密着してきた神社です。その境内に日本唯一といわれる「気象神社」があります。
もともと気象神社は1944年、旧陸軍気象部の構内に造営されたもの。その後太平洋戦争の終戦に伴い撤去される予定でしたが、調査漏れにより残存し、最終的には高円寺氷川神社に移設されることに。
気象神社は氷川神社境内の左手奥に位置し、気象関係者や晴天祈願の人たちの聖地となっています。左右には下駄型の絵馬やてるてるぼうずの形をした照々みくじがたくさん奉納され、結婚式や旅行などの特別な日の晴れを願うことばであふれていました。ここぞという日の晴天祈願にぜひ訪れてみては?