やがては訪れる60歳。今から考えておきたい女性の定年後の過ごし方
女性の話題といえばやはり年齢。本当は年齢なんて誰にも聞かれたくないし、誕生日が来るたびに、昔のように素直に喜べなくなっていたりするものですよね。
今20代、30代の女性にとっては、定年して還暦を迎えた自分なんてまだまだ遠い先のことでイメージしたこともないでしょう。
しかし、そんな女性も40代、50代になると肌や体力の衰えなども含めて、若い頃とは明らかに違う老化に気づくもの。定年後の過ごし方やイメージをリアルに感じるようになると、「ああ、私の時代は終わったな」という気持ちで寂しくなってしまうことも。
女性は「永遠に歳を取りたくない」
例えばテレビコマーシャルをみても、ほとんど若い人がメインも出てくる日本。
逆に「加齢」「40、50、60代」向きのコマーシャルは、どれも肌や体の衰え、美しさの衰えを誇張したものが多いと思いませんか。
「女性は若いほど価値がある」という意識があるためか、化粧品も医薬品も「年齢マイナス●歳」と謳った方が売れるそうです。30歳に見える60代など、歳より若見えする中高年の女性を指す「美魔女」もそうですね。
日本の女性は「歳をとること」「年相応に見えること」にネガティブです。
しかし、フランスなどでは年齢を重ねることに人々がとてもポジティブです。特に、大人の女性の魅力は60代、70代からが本物という意識が強く、コマーシャルなどでも若い人より大人の女性が数多く登場します。
年齢を重ねた女性は、たとえばシンプルな白シャツ1枚でも、ニュアンスや豊かな表情を演出できるという意識です。大人のニュアンスは、若い女性にはなかなか真似ができません。
若さに執着して失敗する人も
若さ至上主義の日本では、誰もが若さに執着しています。若い人の中には「本気で歳をとりたくない、老けたくない、オバさんになりたくない。ずっと若いままでいたい」という女性がたくさんいるのです。
しかし、生きている以上、年齢を止めることは誰にもできません。歳をとりたくない、老けたくないと駄々をこねても、どんなにきれいで美しい人でも老いていく、それは真実です。
美しくありたいと願う気持ちはよくわかりますが、明らかな整形やボトックスの打ちすぎで顔が変わってしまった芸能人は少なくありません。
若さに執着して自分を客観的に見れなくなるのは怖いことです。自分の加齢を「劣化」と悲観し、美容整形を繰り返したり、コスメの謳い文句に騙されて高価な買い物を重ねるのはあまりにも寂しい。もちろん日々の努力はしつつも、自分自身の精神的熟成や大人の余裕を楽しむことも大切です。
60歳は今までの経験値がぐんと上がり、人間として成熟する素晴らしい時期。フランス人の価値観のように、人生これからが本当の大人時間の始まりだと捉えてみませんか。
還暦?それが何?定年後の女性の過ごし方は、固定観念を取り払えるかどうかで決まる
60代は、一般的には「中高年」とか「シニア」と呼ばれる還暦世代。世界保健機関の定義だとは65歳は「高齢者」と呼ばれてしまいます。
今や60代は現役世代。昔ほど高齢感はなくなっていて、呼ばれることに抵抗感がある人も少なくないはず。少なくとも定年後も現役の大人の女性、カッコいい女性でいたいなら、「中高年」「シニア」「高齢者」「60歳」という年齢の枠に自分を押し込まないことが大切。
定年後の女性の過ごし方は、この固定観念を取り払えるかどうかで決まってくるといっても過言ではないでしょう。
定年後の過ごし方は心の持ち方で変わる。カッコいい大人の女性は60歳スタート
今や「人生100年時代」。75歳からの年金受け取り政策も着々と話し合われていて、60代はまだまだ現役世代です。
実際、60歳なんて誰もがまだまだ若々しく、仕事も続けています。経済的にも落ち込みが続いているため、昔のように安穏とリタイヤする人はそう多くはありません。
年下世代から見ると「60代」はどんな風に見えているのでしょう。
「歳を取ると横暴で自己中になるタイプと、何かに貢献して自分も向上しようというタイプに分かれるんじゃないかと思う。自己中タイプで一番多いのは職場やレストランなんかでおしゃべりに夢中になってるおばさんたち。大抵誰かの噂話や悪口ですね。向上心がある人はボランティアとか、自分の強みを活かして社会に貢献する人が多い気がする」(38歳・主婦)
「うちの会社のお局様の「私、もうすぐ還暦」アピールがすごいです。でも、周囲はどう反応していいのかわからない。休憩時間は噂や愚痴ばかり。連絡でちょっとした手違いがあるとテンパって騒ぎ立てる。正直あんなふうに歳をとりたくないなという反面教師です」(36歳・サービス業)
「髪の手入れを怠っている人が多いですね。パサパサしていたり、薄毛になってても気づかない人も多いし、とにかく清潔感がなくなるかも。今はウイッグやエクステンションでいくらでもカバーできるのに、興味がないんですかね」(32歳・美容師)
「気をつけないと、歩いてるときに年齢って出るかもしれません。老けオーラというのかな。うちの母を見ているとそう思いました。本人は元気なんですが、一人で歩いているのを見ると、今までのように力がない。疲れてる感じというか」(43歳・主婦)
「歳をとるとねずみ色系の地味服が定番になるよね。どうしてもっと明るい色を着ないんだろう? 色味で老い感が倍増して損してる。逆にヒョウ柄とか派手系に傾いていく人もいるけど、あれも「オバさん感」増しますね」(28歳・会社員)
「年齢にかかわらず、自分のことを「もうオバサンだから」とか「いくつに見ええますか」としつこく聞く人がいるけど、どうでもいいな。仕事に年齢なんか関係ないけどね。言葉から世帯臭さを感じて「あー、この人もそういうタイプなのか」とちょっと引く」(36歳・サービス業)
「母が定年後、点字のボランティア活動に取り組んでいました。調理師免許を取って仕事に役立てたり、結構アクティブでしたよ。60代、70代なんてまだまだ若いんだと思います」(40歳・会社員)
「60代でもこの方は若いな、元気だなと思う人はたいてい気持ちが若いんですよね。明るくて元気。しかも経験が豊かな分、若い人へのフォローも的確で心強いですよ」(52歳・会社員)
いかがでしょうか。年下から見た60代、定年後の過ごし方の印象。耳に痛いものもあるかもしれませんが、反面教師にできるヒントをくれるものばかりです。