4.ノミの寄生リスクを高める要因
目には見えづらいノミを一匹残らず回避することは難しいでしょう。ですが、ノミに寄生されるリスクを軽減させることはできます。
まずはリスクを高める要因をしっかりとチェックし、ノミ対策に活かしていきましょう。
ノミの寄生リスクを高める要因
原因1 予防薬を使用していない
予防薬を投与していない犬は、ノミが寄生する可能性が高くなります。
原因2 不衛生な飼育環境
ノミは、フケやホコリ、湿った場所を好む害虫。例えば飼い主の服などから運ばれたものでも、不衛生な環境下でカーペットやソファなどに卵や幼虫が住み着くと、やがてそれは増殖し犬に寄生してしまいます。
原因3 こまめなケアをしていない
シャンプーやブラッシングを定期的にしていないと、その不衛生な体がノミの住処になってしまいます。また、万一の寄生に気が付くことができず、増殖の原因にもつながります。
5.ノミの寄生によって起こる病気
では、もしもノミが寄生してしまったら、どのような病気を引き起こしてしまうのでしょうか。
万一の時の症状やサインについて覚えておきましょう。
アレルギー性皮膚炎
皮膚が点々と赤くなっていたりジュクジュクしている、毛が薄くなっている箇所があるなどの症状がみられます。しきりに体を搔いていたり、地面に体をこすりつけていたら皮膚炎のサインといえます。
貧血
ノミに吸血されるため、体内の血液が減少し貧血を起こしてしまいます。特に子犬は重症化しやすく、ふらつきや食欲不振が見られる場合は貧血を起こしている可能性も。口内粘膜が白くなるのも貧血症状の特徴です。
瓜実条虫症
グルーミングなどをきっかけに、瓜実条虫(サナダ虫)の幼虫が潜んでいるノミの成虫が犬の体内へ入ると感染します。
症状としては下痢や食欲の低下などが見られ、犬は肛門にかゆみや違和感を覚えるため、しきりに肛門を舐めるようなことがあればサインといえるでしょう。罹患時には肛門部分に白い虫が見えるので、その場合はすぐに動物病院へ連れていきましょう。
6.ノミの見つけ方と対処法
どんなにノミ対策をしていても、100%の予防はなかなか難しいもの。大切なのはできるだけ早い段階で気がつくことと、スピーディーかつ正しい処置です。
では、どのようにノミを発見し、もし見つけた場合はどのように対処するのがよいのでしょうか。
ノミを見つける方法
方法1 日頃からしっかり観察
犬に寄生するノミは1.5〜2㎜くらいの大きさのため、犬の体表をよく観察すると発見することができます。こまめに犬の体を見てあげることが早期発見につながるでしょう。 実際にノミの姿が見えなくても、0.5㎜くらいの小さい粒状の卵や、黒い点々(ノミの糞)を目にするケースもあります。
方法2 ブラッシング
より確実に発見できるのはブラッシングです。できるだけ目の細かいクシを使って丁寧に犬の毛をブラッシングしましょう。ブラッシング後、黒い粒がクシについたら湿らせたティッシュの上に乗せ、その粒がティッシュの上で溶け、赤茶色になったら要注意。それはノミが犬の血を吸って排泄した糞で、ノミに寄生されている可能性が高いといえます。
ノミを発見したときの対処法
ノミを発見したとき、あわてて手でつぶすようなことは絶対にしてはいけません。
もしもノミが卵を持っていた場合、つぶしたときにその卵が周囲に飛び散り、むしろ増殖が拡大してしまいます。また、その飛び散った卵が万一犬や人の口内に入ってしまうと、前述の瓜実条虫への感染リスクが高まります。
まずは!
粘着テープで駆除
ノミを発見したら粘着テープでそっと取り、食器用などの中性洗剤が入った水に沈め駆除します。その際も、決してノミがつぶれないようにしてください。
また、駆除の際は念のため軍手や手袋、マスクを装着するのがおすすめです。
次に!
シャンプー&ブラッシング
ペット用のノミ取りシャンプーを使ってシャンプーをしてあげましょう。
シャンプーが終わったらドライヤーで毛を乾かし、ノミ取り用のクシでブラッシングします。
ただし、上記の対処法は自宅でできる応急処置です。なるべく早めにかかりつけの動物病院へ行き、適切な処置をしてもらいましょう。動物病院ではすぐに駆虫薬が投与され、その後24時間以内にほとんどのノミは体表から落ちてなくなります。
市販の寄生虫駆除剤やノミ取り用の首輪などもありますが、アレルギーなどを引き起こす可能性もあるため、自己判断はせずに獣医師へ相談するのがベストです。
またその後は、ノミの寄生によって他の病気を引き起こしていないかを確認することも大切。動物病院ではそのあたりもしっかり検査してくれるので安心ですね。