驚きの演技力を見せた『砂の塔』
2021年4月から4クール連続でドラマに出演し、映画にも引っ張りだこの佐野ですが、筆者がはじめて彼を認識したのはもう少し前のこと。2016年、佐野がまだ18歳のときに出演した『砂の塔~知りすぎた隣人』(TBS)です。高級タワーマンションを舞台に、ママ友のいじめやストーカー、児童の連続誘拐事件・ハーメルン事件など様々な事件が起こるサスペンスドラマ。
(画像:『砂の塔~知りすぎた隣人』公式サイトより)
タワーマンションに引っ越してきた主婦・亜紀に菅野美穂、亜紀を追い込む謎の美女・弓子を松嶋菜々子、佐野は亜紀の息子・和樹を演じました。登場人物たちがどんどん追いつめられていく様が怖すぎると話題になった本作で、佐野は連続ドラマ初出演ながらしっかり爪痕を残した印象。
裏の顔もつ高校生役で、別人のように豹変
和樹は、家のこともよく手伝い、年の離れた妹をかわいがる優しいお兄ちゃん。しかし、徐々に裏の顔が見えてきます。タワマンのダメ親を趣味のカメラで盗撮したり、不良グループとつるんだり(実はいじめられていた)。やわらかな笑顔を見せていた和樹が、どんどん別人のように豹変していくのです。
そんな多感で繊細な高校生がもつ2つの顔を佐野はリアルに表現。最終回、産みの母であった弓子との別れのシーンは、涙なくして見られませんでした。