皆さんこんにちは。
今回は、ポストエディット座談会、2つ目のトピック「ポストエディット作業のポイント」をご紹介します。

テンナイン:「ポストエディット作業のポイント」をお話しいただけますでしょうか。

Aさん:
まずは、訳抜けがないかを押さえていくべきだと思います。単語レベルもですが、文がそっくりそのまま抜けていることや文の半分くらいが抜けていることもあるので、そこは気を付けなくてはいけません。2つ目のポイントは、縦方向、例えば、用語の統一、表現の統一、これは機械翻訳が最も苦手な部分だと認識しておりますので、そこはポイントの1つだと思います。

Cさん:
やはり1番気を付けるべきポイントは、訳抜けですね。接続詞や関係代名詞の文章がごっそり抜けたりすることがあるので、接続詞で繋がっている部分は、特に気を付けて見ています。あとは、手翻訳とポストエディットの違いを出すためにも、言い回しが日本語的に少しおかしいけれど、きちんと自分の頭に入ってきて、意味が通っていれば、そこはあえて直さないでそのまま行くとか、そのあたりのさじ加減ですね。そのあたりを時間を優先しながら進めていくという点が、ポストエディット作業で気にかけているポイントです。

Bさん:
お2人がお話しされた内容と重複しますが、訳文がごっそり抜けていることもあるので、その部分に注意します。あと、~and~という文章で修飾語のかかり方が間違っていることもあるので、そういった場合は、文章の流れや前後の文章をしっかり確認します。あとは、訳語の統一や訳語の確認ですね。特に専門用語をしっかり確認します。ただ、訳語選択に悩むと時間がかかってしまうので、基本的に機械翻訳であがってきた訳語が間違えでなければ、他の選択肢があったとしても、それで統一します。

テンナイン:
今日のメイントピック「どこまで直すか」についてもう少しカバーできればと思います。ポストエディットでは、「時間」が1つの軸になっていると思います。依頼時に「この案件には○○時間かけてください」といった明確な指示とともにご依頼させていただいております。具体的に言うと、英日の場合は1時間300ワード、日英の場合1時間600文字です。それよりも時間をかけてしまいますと、フリーランスの皆さまは損をしていることになってしまうんですけれども、時間に関してはいかがでしょうか。我々が提示している作業時間は妥当でしょうか。

Aさん:
ほぼ妥当だと思います。契約書に関しては機械翻訳の精度がかなり上がってきているので、いただいた時間で足りますね。

B:
いただいている時間をオーバーすることはないと思います。

Cさん:
基本的には、いただいた作業時間を目安に作業をします。それでも、「この品質ではまずい」ということであれば、多少オーバーすることもあります。その点は、原文の品質次第で、原文の品質が悪いと機械翻訳でも当然とんでもないものが出てきます。そうすると、ポストエディットであっても翻訳まで踏み込んでやっていかないとどうにもならないこともあるので、そのあたりは難しいところだと思います。

テンナイン:
指定された時間内でどれくらいできるかは原文の品質や出力結果によって変わってくると思います。もし時間内に終わらない場合はできるだけ早めにご連絡いただければ、クライアントに交渉するなど、時間の延長は可能でございますので、ぜひご相談いただければと思います。

「どこまでやるのか」について、もう少しお話しできればと思います。契約書の場合は、文の自然さをどこまで追求するか、Aさん、お話しいただけますでしょうか。

Aさん:
契約書といえども、読みやすさは大事だと思うので、正直ポストエディット案件でもかなり練り上げています。契約書の場合は、法務部の方が見る場合と、そういう素養がない方が見る場合の2パターンがあります。法務部の方が読む場合は、多少読みづらくても理解していただけますが、一般の方が見る場合は、「何を書いているか分からない」というフィードバックをいただくこともあります。読み手がどういう方なのか分からない場合は、読みやすくすればクレームは来ないので、かなり練り上げることもあります。

テンナイン;
ありがとうございます。もちろん、我々としては翻訳者さんが不利になるようなことはして欲しくありませんので、やりすぎも注意ですね。ただ、30分指定の時間のところ、20分で終わった場合、残りの10分は改善の余地があれば、ぜひ時間を使っていただき、より自然な文に仕上げていただきたいです。

今回は、「ポストエディット作業のポイント」の内容をご紹介しました。次回のトピックは、「ポストエディット作業で苦労する点」です。

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