『新聞記者』のジャーナリスト松田と『ドクターX』大門未知子は似ている

なぜ大門未知子が愛されるかといえば、医療の現場を舞台に、権力ばかりがいい目を見る状況で、その権力にあやかろうと群れていく人間のあさましさに、一匹狼フリーランスとして対抗するというある種の世直しキャラだからだ。

大門未知子が「致しません」とどんなときでも権力になびかず、患者を治す能力のみで世間を渡っていく清々(すがすが)しい存在であるため、米倉にも悪い印象がない。

『新聞記者』のジャーナリスト松田も権力に決してなびかず、不正を許さない点において大門未知子と似ている。しかもそうでありながらいつもきれいにおしゃれして他者への愛情を注げる柔らかさも持ち合えわせているところが親しみやすいのである。

『新聞記者』は『ドクターX』の進化版である

米倉涼子、成功の理由とは。『新聞記者』は『ドクターX』の進化版?!
(画像=『女子SPA!』より引用)

(画像:『ドクターX ~外科医・大門未知子~』テレビ朝日公式サイトより)

米倉が長く続いた『ドクターX』シリーズの続編を渋っているという噂がネットニュースでよく流れてくる。その真偽はともかく、俳優はいつも違う役をやりたいものなので、やりたくないと思っても無理はないと思う。ところが『新聞記者』も役割的にはドクターXと同じなのだ。女性がひとりで権力に立ち向かっていくという記号を確立したことが米倉涼子の成果である。

彼女の凄いところは無理してまったく違うものに挑むのではなく、得意なジャンルでちょっとだけ前進している堅実さである。

Netflixで世界配信するという環境、大門未知子よりも社会派な雰囲気など、『新聞記者』は『ドクターX』の進化版である。

そういう意味では、いつまでも同じ役をやり続けて飽きられてしまう前に、大門未知子をステップボードに新聞記者というアップデートした役を獲得した米倉涼子の処世術は見倣うべきところがある。

<文/木俣冬> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 木俣 冬 フリーライター。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。『みんなの朝ドラ』など著書多数、蜷川幸雄『身体的物語論』の企画構成など。Twitter:@kamitonami

提供・女子SPA!



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