宝島社では、月刊誌『田舎暮らしの本』の中で、毎年「住みたい田舎ベストランキング」を発表しており、移住先選びの参考になる内容です。「2022年版第10回住みたい田舎ベストランキング」の中から、上位にランクされた自治体の魅力や移住支援制度について紹介します。

住みたい田舎ランキングを紹介!各自治体の補助金制度などを紹介

住みたい田舎ランキングを紹介!田舎に住む魅力とは?
(画像=『移住支援.com』より引用)

「住みたい田舎ベストランキング」では、自治体が回答したアンケート結果を数値化する仕組みです。人口別に5つのグループに分け、それぞれ3つの世代別にランキングを発表しています。これから紹介する自治体は、いずれも上位の常連ばかりです。

長野県宮田村

2021年は、村部門の総合ランキングで1位に輝き、2022年は人口1万人未満のまちグループにおいて、若者世代・単身者、子育て世代の部門で3位にランクされました。

特徴や歴史

長野県の中南部に位置し、南に隣接する駒ケ根市から1956年に分村する形で誕生した自治体です。村ではありますが、人口は8,500人ほどであり、中心部にはスーパーやホームセンター、ドラッグストア、コンビニなど、一通りの商業施設が揃っています。 さらに、先述のとおり南側は駒ケ根市、北側は伊那市と隣接しており、JR飯田線や国道153号線で簡単に行き来できるので、利便性は抜群です。一方で、中央自動車道を越えた西側には木曽駒ケ岳が広がり、キャンプやゴルフ、ウインタースポーツなどを楽しめるでしょう。

子育て環境

宮田村では、子育て支援に力を入れています。例えば、出産祝い金は最大で50万円(5人目以上の場合)です。医療費は高校生まで無料になります。小学校入学時は1万円、中学校入学時は3万円の祝い金が支給され、県内の高校に進学した場合は、最終学年次に35,000円の助成です。 ほかにも、子育て支援センター「うめっこらんど」で子どもや保護者間での交流ができたり、「うめっこ育て隊」というボランティアが子育てをサポートしてくれたりします。

補助金などの移住支援制度について

移住にあたっては、9歳以下の子どもがいるか、妊婦がいる世帯であれば、30万円の転入奨励金の対象です。子育て世帯を誘致した住民に対して、20万円の誘致報奨金が支給されるのは珍しいといえるでしょう。 また、空き家バンクに登録された物件を購入して改修すると、60万円を上限に費用の1/2が助成されます。

島根県飯南町

2021年は、町部門の総合ランキングで1位、2022年は人口1万人未満のまちグループにおいて、子育て世代の部門で1位、若者世代・単身者とシニア世代の部門で2位にランクされました。

特徴や歴史

飯南町は島根県と広島県の県境にあり、2005年に頓原町と赤来町が合併して誕生しました。町の約9割が山林や原野であり、冬には1メートル以上の雪が積もるほどの豪雪地帯です。わずかな平地に、頓原や来島、赤名といった大きな集落が点在しています。人口は約4,500人です。 町には鉄道がなく、高速道路も走っていません。町営バスは運行されていますが、町外へ移動するには自家用車があると便利です。

子育て環境

飯南町では、子どもの保育費が全年齢で無償であり、医療費についても中学生までは免除されます。医療費は市外や県外の医療機関を受診しても適用されるのが、うれしいところです(県外の受診は申請が必要)。 また、町内に保育所から高校までが揃っており、それぞれが提携しているため、親元で暮らしながら一貫した教育を受けられます。町営で学習塾「飯南町学習支援館」を運営しているのも、全国的に珍しいといえるでしょう。

補助金などの移住支援制度について

飯南町の移住支援の中でも、特に注目されているのが「定住促進賃貸住宅」です。町が建設した賃貸住宅に25年間住み続けると、建物と土地を取得できます。 令和2年(2020年)度の場合、家賃は月額40,000円です。3LDKの平屋であり、間取りは3パターンの中から選べます。外装や内装の選択肢は豊富です。概ね40歳までの夫婦か、中学生以下の子どもがいる40歳までの成人であれば利用できます。 これまでに100世帯以上が、この制度の利用によって移住していますが、年度によっては実施しない場合もあるので、地域振興課に問い合わせてみましょう。 ほかにも、1週間単位でお試し暮らしができたり、民営の別荘付き農園を1年単位で借りられたりするなどのサービスを利用できます。もちろん、公営住宅の入居も可能です。

長野県木島平村

住みたい田舎ランキングを紹介!田舎に住む魅力とは?
(画像=『移住支援.com』より引用)

2021年は、村部門の総合ランキングで2位、2022年は人口1万人未満のまちグループにおいて、シニア世代の部門で3位にランクされました。

特徴や歴史

木島平村は、長野県の北部に位置し、村営(第3セクター)の「北信州木島平スキー場」が有名です。馬曲温泉をはじめとする温泉施設もあります。1955年に3つの村が合併して発足しました。人口は約4,200人です。 村内では個人商店や小規模のクリニックが点在するくらいですが、車で15分のところに飯山市があり、商業施設や医療機関が充実しているので、不便さはありません。飯山駅では北陸新幹線を利用できます。

子育て環境

木島平村の中には、保育園から小学校、中学校、さらに県立の下高井農林高校まで揃っており、教育環境が充実しているのが強みです。飯山市にある飯山高校に通うのも難しくありません。

補助金などの移住支援制度について

木島平村では、定住を促進するために、住宅の取得において補助金を支給しています。例えば、18歳以下の子どもがいる世帯が住宅を新築、または増築すると、補助金は100万円を上限に費用の1/2です。村民が新築・増築するよりも条件が緩和されています。 空き家なら、取得は50万円を上限に費用の1/10、改修は50万円を上限に費用の1/2です(20万円以上の改修が対象)。どちらも、世帯主が40歳以下か、20歳以下の子どもがいる60歳以下の世帯が利用できます。 さらに、若者(18歳未満の子どもがいたり、妊婦がいたりする世帯)の定住促進のため、村内にある賃貸住宅の家賃補助を実施中です。月額4万円を超えると、1万円を上限に補助してくれます。