「自己鍛錬のヨガ」とも言われる“クリヤヨガ”を、知っていますか?

ヨガ実践者の方でも、“八支則”は知っていても、“クリヤヨガ”はピンとこないという方は多いはず。

クリヤヨガは、ヨガの聖典『ヨガ・スートラ』に書かれている行動の指針で、ヨガ実践者が日常的に行うべき行為が示されています。

ヨガと言っても、ポーズも呼吸法も瞑想も行いません。

では、一体何をするの…?

そこで今回は、気になるクリヤヨガについてご紹介していきます。

クリヤヨガを実践することで、人生そのものの質が高まると考えられていますよ。

ヨガのアーサナや瞑想もより深めることができます。

実践方法をさっそくチェックしていきましょう。

行動のヨガ!クリヤヨガとは

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

クリヤヨガとは、ヨガ哲学で説かれる行動指針の1つです。

クリヤは、サンスクリット語で「行為、習慣」のこと。

つまり、ヨガ実践者が日常生活の中で毎日行うべきことを示しています。

ヨガの聖典『ヨガ・スートラ』の第二章 第1節に書かれています。

ヨガの八支則より前に出てくる内容です。

ヨガといってもポーズをとることはしません。

ヨガ実践者が、毎日欠かさず行うべきルーティンや心構えを示してくれています。

規律を取り入れることで、生活を整え、精神的な不純さを取り除いていきます。

「自己鍛錬のヨガ」と言われることもあります。

ヨガの八支則を知ると、ヨガのポーズをとること(アーサナ)は一つの段階にすぎず、ヨガの最終目的は瞑想を深め(ディヤーナ)、心の平穏を手に入れ悟りをひらくこと(サマーディ)であることが分かります。

しかし、心の静寂を保ち瞑想に辿り着くのは、そう簡単ではありません。

現代社会を生きる私たちの心には“不純さ”があるからです。

どんなにヨガマットの上で、ポーズや呼吸を練習しても、それ以外の時間での生き方が整っていなければ、ヨガの最終地点は見えてきません。

そこで大事なのが、根本から精神を整えることなのです。

日常から『ヨガ・スートラ』の中で説かれているクリヤヨガを行うことで、ヨガの呼吸やアーサナが深まり、ヨガ実践者が目指すべき最終目的への道も近づくと考えられているのです。

クリヤヨガは3つある!

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

『ヨガ・スートラ』では、「クリヤヨガは、タパス、スヴァディア-ヤ、イ-シュヴァラ・プラニダーナより成る」と説かれています。

つまり、クリヤヨガは以下の3つです。

tapah・タパス

=状況(苦痛)と向き合う

svadhyaya・スヴァディア-ヤ

=自己を探求する、勉強する

Ishvarapranidhana・イ-シュヴァラ・プラニダーナ

= 信じる、身を委ねる、捧げる

この3つは、ヨガの八支則の二つ目「ニヤマ(勧戒)」にも出てきます。

自分に対して守るべき5つの心得、日常で行うべきことが示されています。

八支則の一つ目「ヤマ(禁戒):他人や物に対しての5つの心得、日常で行ってはいけないこと」の次にでてくる内容です。