ヨガをする私たちはどんな呼吸を目指すべきか?
私が自分のヨガの師から聞いた理想の呼吸は、「寝ている赤ちゃんのような腹式呼吸」です。
呼吸に合わせてお腹を大きく上下させながらすやすや眠る赤ちゃんを見て、私たちは思わず幸せな気持ちになります。
それはあの寝ている赤ちゃんに1ミリも「エゴ」がないからだ、と教えられました。
ちなみにエゴとは「自分とそれ以外を区別し、自分の利益を優先する気持ち」です。
「執着」とも言えます。
もちろん、大人であっても、熟睡していてお腹が大きく上下する腹式呼吸が自然に起こっている時は、そこからまったく「エゴ」や「ネガティブ」が発せられず周囲をほっこりさせます。
つまり、本来の腹式呼吸とは「思考」が完全に抑制され、そのため「エゴ」がまったくない状態だからこそ体に自然に起こる大きな深い呼吸なのです。
この呼吸が起こっている時は、周囲にも平和な空気が連鎖して起こります。
ヨガでも腹式呼吸を練習しますが、体のどこかに力が入っていたり、意識が呼吸と思考を行ったり来たりして、なかなか深い腹式呼吸には入れません。
形だけ吸う時にお腹が膨らみ、吐く時にお腹を凹ませることはできますが、やっている本人がぎこちなさを感じたり、リラックスを感じられていないはずです。
もちろん、この練習から入る必要がありますが、体が自然に寝ている時のような腹式呼吸になるまで、私たちは練習を続ける必要があります。
なぜなら、そこまでの腹式呼吸ができて、初めて私たちは「思考」からも「エゴ」、つまり「苦しみ」から切り離されるからです。
覚醒時に深い腹式呼吸ができている人だけが至福を感じられる
「覚醒時であっても、あらゆる思考やエゴから切り離された、まるで寝ている時のような腹式呼吸を心がける」。
これがヨガの目指す質の高い呼吸だと考えます。
簡単なことではないです。
無意識に呼吸を繰り返しているだけでは、このような呼吸は獲得できません。
ただし、寝ている時は誰でもそのような深い呼吸をしている時間があるはずなので、不可能ではないはずです。
人間は起きている時間はさまざまなストレスがあり、思考も動き、自分を守り利益を得るためにネガティブなことを考えがちです。
だからこそ一旦そこから離れ呼吸を整える。呼吸を整えた結果、思考から離れられる。それが深まっていくと、エゴを手放せる。その時間を少しずつ長くしていく。そして自分と世界を切り離さない。自分と世界の一体感=至福、を感じる。これがヨガの目標です。
呼吸をコントロールして幸せになろう
呼吸法にはさまざまな効果効能があります。
自律神経を整えるため、ストレスを解消させるため、血圧を安定させるため、冷えを解消させるため、等、どんな目的で取り組んでもOKです。
ただヨガの最終的な目標である「至福」を体感するためにも呼吸のコントロールが欠かせないこと、そして呼吸のコントロールを極めなければ「至福」はありえないことも、心の片隅において練習を続けましょう。
提供・yoganess
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