せっかく一眼レフカメラを手に入れても、いつまでも撮影技術が初心者のままではもったいないですよね。そこで、ここではカメラ初心者を卒業するためのボケ味やブレ具合、構図に着目した上手な写真の撮り方を解説します。さらに、それらを踏まえて被写体ごとに適した撮影方法も紹介するので、この記事を参考にカメラ初心者から脱却しましょう。

[講師]Tolanca(トランカ)編集部

カメラ初心者卒業への道①まずは「ボケ味」を意識した撮り方をマスターしよう

カメラ初心者が知りたい!プロのような写真の撮り方を解説
(画像=『トランカ』より引用)

一眼レフカメラの大きな魅力は、何と言っても「ボケ味」をきれいに出せるところです。ボケ味をうまく出せるようになれば、写真の出来栄えが格段に上がります。実際、プロが撮ったような写真だと感じるような写真は背景が良い具合にぼやけていることが多いです。そこで、まずはボケ味をマスターする方法を解説します。

ボケ味はF値(絞り)でコントロールする

ボケ味はF値でコントロールします。F値とはカメラに入る光の量のことで、絞り値とも言います。F値が大きいと光の量は少なくなり、反対にF値が小さいと光の量は多くなります。

ボケている写真とは、言い換えればピントが合っていない写真です。つまり、手前の物ははっきりと写っているけれど背景がボケているというような写真の場合は、手前の物だけにピントが合っている状態です。このような写真に仕上げたい時は、F値を小さくしてピントが合っている範囲を狭くしましょう。反対に、F値を大きくすればピントが合っている範囲が広くなり、全体がはっきりと写った写真になります。F値は、カメラ上ではF1.8やF10などと表示されるので確認してみましょう。

また、F値は明るさにも大きく関係していて、F値を小さくすれば光の量が多くなるため、明るい写真に仕上がります。反対に暗い写真にしたければ、F値を大きくして光の量を少なくしましょう。

絞り優先モード(Aモード)の使いこなし方

うまくボケ味が出た写真を撮りたい時は、絞り優先モードを使ってみましょう。このモードはF値を自由に設定でき、ISO感度とシャッタースピードはカメラが自動で最適な設定にしてくれる便利なものです。F値のことが理解できていれば、初心者でも簡単に使いこなせるでしょう。

背景にボケを出すときの裏ワザ

F値の調整だけでなく、被写体に近づいて撮影することでも背景にボケ味を出せます。ただしこの際、レンズの最短撮影距離に注意する必要があります。最短撮影距離とは、被写体にピントが合う一番短い距離であり、それぞれのカメラによって異なります。この最短撮影距離より被写体に近づいて撮影すると、ピントが合っていない写真になってしまうため、自分のカメラのレンズの最短撮影距離を事前に把握をしておきましょう。ちなみに最短撮影距離は、カメラのスペック欄に記載されているのでチェックしてください。また、ピントが合っている被写体から離れているものほどボケやすいですので、背景にボケを出したい時は被写体を背景から離して撮影する方が良いでしょう。

活用のおすすめシーン

ポートレートを撮影する時などは被写体を際立たせる必要があるため、絞り優先モードを使うのがおすすめです。きれいに背景をぼかせるでしょう。しかし、動きがある被写体を撮影する時には、絞り優先モードよりも次の項目で紹介する「シャッター速度優先モード」を活用しましょう。

カメラ初心者卒業への道②「ブレ具合」を調節して写真に表情や動きを出そう

カメラ初心者が知りたい!プロのような写真の撮り方を解説
(画像=『トランカ』より引用)

良い写真に仕上げるためには、ブレ具合も大切です。ここからはブレ具合に関係しているシャッタースピードを解説します。

ブレ具合はシャッタースピードでコントロールする

光を取り込む時間のことをシャッタースピードと言い、カメラ上では1/30秒や1/1000秒といったように表示されます。シャッタースピードを速く設定すれば、被写体をブレることなく撮影できます。反対に、シャッタースピードを遅くすれば、撮影の際にブレが生じやすくなります。1秒以上のシャッタースピードになるとスローシャッターと呼び、星空や滝などを撮影すると幻想的な写真に仕上がります。ただし、シャッタースピードを遅くすると手ブレが生じやすくなりますので、その点は注意が必要です。カメラが固定できる三脚を利用したり、リモートスイッチを活用して手ブレ対策をしましょう。

シャッター速度優先モード(SまたはTvモード)の使いこなし方

シャッター速度優先モードでは、自分で設定するのはシャッタースピードのみです。ISO感度と絞りはカメラが設定してくれるので、カメラに慣れていなくても簡単にブレ感を出せます。例えば、シャッター速度を遅くして動いている鳥などを撮影すると、ブレて躍動感を表現できます。

シャッタースピードを活用した裏ワザ:流し撮り

スピード感を重視した撮り方を流し撮りと呼び、車やスポーツ選手、動物など速い動きのものを、スピード感溢れる写真に仕上げたいときに適した撮り方です。流し撮りは、シャッター速度を1/10~1/30秒くらいに設定し、ブレやすくすれば撮影できます。この時、背景にも注目するのがコツで、単調な背景よりも光や色がある背景の方が被写体の動きを表情として表現しやすくなります。