静かな場所で、じっと心を見つめてみよう
人は、怒りや苦しみや悲しみの衝動で自分自身を汚していると、お釈迦様は言います。 以前はどの家にも仏壇や神棚があり、仏様や神様がもっと身近な存在でしたから、私のように仏様や神様の前に座って、じっと心の内側を見つめ、大きな存在に見守られ、救われていく人も多かったことでしょう。しかし、現代はそのような場所がなくなりつつあります。
みなさんも自分の心の経過をたどることのできる静かな場所を見つけてみましょう。実はお寺の数は全国に7万以上。コンビニが4万ぐらいですから、コンビニの数より多いのです。散歩圏内に門の開いたお寺や神社を見つけるのも手です。
心の中で、1本のお線香に火をつける
どんな人も、ときに怒り、ときに悲しみ、揺れ動く心の衝動とともに暮らしています。そんなとき、相手を正そうとしてもどうにもならないことが多いので、まずは自分の心の内側で起きていることをきちんと知る必要があります。ひとりになり、怒りに打ち震えている自分、悲しみに打ちひしがれている自分を、じっくり見つめることから始めます。 心に「一炷香」をたくイメージです。
目を閉じて心を静め、心の内側を見つめてみてください。ひとりになれれば、場所はどこでも大丈夫です。心の中で一本のお線香がぽっと火をともし、ゆっくりと減っていく様子を思い浮かべてください。「あの行動で自分の心は傷つけられてしまった」「この言葉が悲しかった。心が痛かった」とまずは怒りや悲しみがあふれていく様子を、じっくりとたどってみます。
そして怒りや悲しみのエネルギーがだんだんと落ち着いてきたら、ことの次第を見つめ、冷静に客観的に整理していきましょう。あたかも、他人事のように自分を見つめるのです。すると、事件の深層が見えてくるはずです。