自分と真逆のキャラクターに挑戦
『言えない二人』白濱亜嵐さん
――それぞれの作品の脚本を読んで、どのように役作りをしていきましたか?
白濱:僕が出演した話は、特に大きな出来事もないので、自分の役が思う感情をどう持って行こうかなと考えました。あまり表情にも出さないし、台詞もそんなにないです。それを表情でも伝えなければならず、僕と真逆のキャラクターでこういう役に挑戦してみたかったので、やりがいはありました。
台詞が台詞じゃなく、頭の中で考えずに出てくるような台詞回しで、敢えて台本を読まなかったですね。台詞を入れないようにして、台詞の言葉を覚えずに、感情の波だけ覚えて。この作品をきっかけに、台詞を覚えるんじゃなくて、感情を覚えるヒントになって、それ以降すごく演技の時に使っています。
――『言えない二人』の冒頭、門脇麦さんを待っている場面など、非常に自然な演技でしたよね。
白濱:ほんとにナチュラルで、どこにでもいるような二人が喋っているのを撮っているような感覚で演じています。
作品のリアルを意識した役作り
『怪談 満月蛤坂』中務裕太さん
――中務さんはどうですか?
中務:最初、台本を見たとき、妊娠するって書いてあって、男の人が妊娠するってどういうことなんだろうと思いました。監督も台本を読み込まないでほしいと仰ったので、2回くらいしか読んでないんです。知識として何も調べずに現場に行って、リアルな芝居を撮りたいということだったので、僕は自然な感じで芝居に取り組めました。
さらに料理人の役だったので、料理作法はすごく気をつけました。包丁のたちの入れ方だったり、切った後の包丁のタオルでの拭き方など、神経質に演じました。
――代々料理人のご家族だということですが。 中務:そうですね。料理指導の時に、意外と上手だねと言われて、その血が通ってるんだなと。料理長の方からうちの弟子より割烹服似合ってるねと言われたのが嬉しかったです(笑)。