①投資上限額が一般NISAよりも少ない
つみたてNISAの投資上限額は、毎年40万円。月ベースに直すと、毎月3.3万円の積立投資が可能です。
それに対して、一般NISAであれば毎年120万円まで投資をすることが可能です。
あんず 「つみたてNISAの場合、一気にドカンと資本を投下するのではなくて、長期的にじっくり保有することが『資産形成』につながるんだね!」
②スイッチング(商品の交換)ができない
保有している投資信託(ファンド)を別のものと交換することを、スイッチングといいます。NISAではこのスイッチング行為が認められていません。
例えば、あなたはつみたてNISAで「あんずファンド」を積立投資していました。
その1年後、より手数料が安くて魅力的な「すももファンド」という商品が発表されました。
この場合、「つみたてNISA」で「すももファンド」を購入するためには2つ方法があります。
① 毎月3.3万円の範囲内で、「あんずファンド」に加えて「すももファンド」も積み立てる
② 「あんずファンド」を完全に売却してから「すももファンド」を買い付ける
一般の証券口座であれば、上記2つの方法以外にも、すでに積み立てた「あんずファンド」を「すももファンド」と交換することができるケースもあるのですが(このことをスイッチングと言います)、つみたてNISAでは認められていません。
③損益通算ができない
通常、金融商品の取引で利益が出た場合、その利益には20.315%の税金がかかります。たくさん儲けても手元に8割しか残らないのでは資産形成がしにくいので、つみたてNISAや一般NISAのように、利益に税金がかからない制度が設けられたのでしたね。
ただ、通常の証券口座の取引にも良いところがあります。それは、過去3年の間に損失が出ていれば、その損失の範囲内であればその後の利益については税金がかからないようにできる仕組みがあるのです。これを「損益通算」(そんえきつうさん)と呼びます。
例えば、あんずちゃんが2018年に投資で20万円の損失を出してしまったとします。その後、あんずちゃんは投資の猛勉強をし、2019年は30万円儲けることができました。
この時、もし、「損益通算」が認められていれば、2019年に儲けた30万円から、2018年に損をした20万円を差し引いて、残りの10万円にのみ、20.315%の税金(約2万円)がかかることになります。
一方、「つみたてNISA」や「一般NISA」では損益通算することができません。
今回の例で言えば、2019年の利益30万円に20.315%課税されて、約6万円の税金を支払うことになります。
ほなみ 「ちょっと待って!つみたてNISAや一般NISAは利益に対してもともと税金がかからないから、この場合6万円も払わなくて良いんじゃないですか?」
あんず 「鋭い!ほなみちゃんが、つみたてNISAや一般NISAでしか取引をしないなら税金を払わなくてOK。もし、つみたてNISA以外にも証券口座を持っていたとしたら、そこで出た利益には税金がかかるよ、ということ」
ほなみ「なーんだ、よかった~。あっ!そういえば、選べる金融商品が限られてることにも、実は注意点があったりして……?!」
あんず「よし、次はつみたてNISAで購入可能な投資信託の基準について、たっぷりお話するからお楽しみに!」(続く)
文・ホナミ/DAILY ANDS
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