足を左右に開いて、上体を前にペターッと倒す“開脚”。 それも、足が横一直線に大きく開いた“180度開脚”に憧れる方は多いようです。

これには股関節の柔軟性が必要になるのですが、関節には可動域というものがあって、横方向の開脚の場合は90度(外転・左右それぞれ45度程度)ほど開けば十分だとされています。

180度開脚はその倍の可動域となるわけですから、無理におこなうと怪我の恐れがあるということをまずは頭の片隅に置いておきましょう。

また、左右の開脚と並んで注目されている“前後開脚”。

こちらは左右の股関節が屈曲と伸展という違った動きをするため、横開きの開脚よりも複雑で難易度も高まります。

特にヨガにおいては、このような左右の股関節が違った動きをするポーズが多いのですが、なかでも代表的なのが「猿王のポーズ」。

いつかは成功させたい、と憧れている方も少なくないポーズでしょう。

ですが、このポーズを完成させるのは簡単なことではありません。コツコツと地道な練習を、安全に積み重ねる必要があります。

ここでは、「猿王のポーズ」によって期待できる効果ややり方、練習法を紹介していきたいと思います。

ヨガの「猿王のポーズ」とは?

「猿王のポーズ(ハヌマーン・アーサナ)」は、足を前後に大きく開いて背筋を伸ばし、頭上で合掌をするヨガのポーズ。

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

ハヌマーンというインド神話に登場する猿の姿をした神が、大きく足を開いて海を渡った伝説の姿が名前の由来になっていると言われています。

そして、注目すべきはやはり下半身の前後開脚。

前側の足は股関節が屈曲、うしろ側の足は伸展とそれぞれに違った動きをしていて、さらにはもも裏・前ももがペタッと床についていますから、難易度の高さが見て取れるでしょう。

ちなみに、股関節の屈曲は0~130度、伸展は0~30度が一般的な可動域ですので、横開きの開脚と同様に無理は禁物なポーズであることを覚えておいてください。

では、「猿王のポーズ」には、どのような効果が期待できるのでしょうか。

「猿王のポーズ」で得られる3つの効果

「猿王のポーズ」で期待できる効果は、次のとおりです。

股関節・足の柔軟性UP

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

「猿王のポーズ」では、股関節の柔軟性だけではなく、太ももの裏側のハムストリングや太ももの前側の大腿四頭筋、お尻、ふくらはぎといった筋肉の柔軟性を必要とします。

そのため、練習を繰り返すことでそれらの柔軟性が高まり、日常生活における下半身の可動域の広がりや、ほかのポーズを深めるときなどにも効果を感じられるようになるでしょう。

骨盤の歪みの調整・腰痛改善

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

うしろに伸ばした側の足では、そのつけ根に位置する腸腰筋という筋肉がストレッチされます。

この筋肉が緊張状態にあると、骨盤が前傾して腰の反りが強くなり、お腹が前に出たり腰を痛めたりする原因にもなるので適度なストレッチでほぐしてあげるとよいでしょう。

冷えやむくみの改善

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

股関節周辺には太い動脈や静脈リンパ、ひざ裏にもリンパがあります。

下半身を大きく使う「猿王のポーズ」でその滞りにアプローチをすることは、冷え・むくみの改善にも期待できると言うことができるでしょう。

デスクワークが多くて、運動不足。また、エアコンで冷えてしまったダル重い足のケアにもオススメです。