1年というのは早いもので、今年も年末調整シーズンがやってきました。会社を経営されている方には、もう書類が届いているかと思います。また、会社員の方も「◯日までに提出してください」と既に受け取っている方も多いのではないでしょうか?
毎年書類を渡され、必要事項を書くように言われるものの、年末調整について「何のために必要なのかよくわからない」という人も多いはず。年末調整は、正社員でもアルバイトでも毎年必要になる手続き。これを機に年末調整の基礎知識を学んでおきましょう。
年末調整ってなに?
年末調整とは、1月~12月までの1年間に支払われた給与や源泉所得税の過不足を年末に調整する仕組みのこと。毎月給与から所得税が天引きされた金額が私たちの手元に届くわけですが、この天引きされる「所得税」は概算であって、再計算することにより1年分の支払うべき所得税が決定するのです。
1年分の税金を年末にまとめて払うとなると、貯蓄をしていない人にはかなりの負担となります。多額なお金をすぐに払うことは家庭を圧迫することにもなってしまいますよね。そこで、国は雇用主が給与から天引きすることを決めたのです。会社が一旦預かり、まとめて国に支払う仕組みにになっています。
天引きされる金額は「この人は毎月これくらいの給与だから、税金はこれくらいだろう……」という、おおよその金額で、正確な税金額が分かるのは、この年末調整がなされたあと。1年間の収入や「差し引くもの」がきちんと決まる年末だからこそわかるのです。天引きされる税金は、少し多めに計算されているため、通常は納め過ぎた分が少々返ってきます。
確定申告とは何が違うの?
年末調整とは別に、2月中旬~3月中旬には確定申告を申請する期間がありますが、年末調整とは何が違うのでしょうか?
年末調整は給与所得を対象にしていますが、確定申告は1年間に得たすべての所得を計算し、申告・納税する手続きのことをいいます。会社員の方は、年末調整をしていれば確定申告の必要はありませんが、「給与の年間収入金額が2,000万円を超える人」「本業以外に副業をしていて年間20万円以上の収入がある人」などが対象となっています。詳しくは、国税庁のホームページをチェックしてください。