あの人はいつも元気で明るい。「いい人」ってわかっているのに、なぜか疲れてしまう。「いい人」に心から共感できない私が悪いの?と悩みがちなあなた、いいえ、実は『「一見、いい人」が一番ヤバイ』(PHP研究所)のかもしれません。
写真はイメージです。(以下同じ)
著者の心理カウンセラー、下園壮太氏は言います。「『一見、いい人』が厄介なのは、その困った行為に、多くの場合「悪意」がないこと。自分の態度で他人が傷ついていることにさえ、まったく気がついていないこともあります」。 相手は良かれと思ってやっているのだから、私も同調しなければならない、と自分を抑え込んでいると、無理が出てしまうのは当然なのです。
ストレスの役割とは
生理学者のハンス・セリエは「ストレス反応は、自分にとって有害な外部刺激に対する正常な反応として起こるものである。ストレス反応があるからこそ、私たちは命を維持していくことができる」と説いています。気持ちのザワザワやイライラは、心が発する「助けて」のサイン。 本書いわく「体が緊張する」「考え方がネガティブになる」「そわそわ落ち着かず、焦る」「ささいなことで怒りっぽくなる」「食欲が低下する」「眠れなくなる」はエネルギー低下の危険信号です。 「一見、いい人」に接した時のザワザワやイライラに気づいたら、手遅れにならないうちに対処しましょう。 「一見、いい人」を、まろやかに回避する処方箋を、本書からいくつか紹介してみます。
【パターン1】しょっちゅう押しかけて尽くす、おば
1人暮らしの女性宅にアポなしで訪れる、おば。おばに限らず、親、兄弟姉妹、友達もあてはまりますね。殺し文句は「あなたのことが心配なの」。結婚は、子供は、仕事は?と何かと気にかけてくれるのはありがたいけれど、正直うっとうしい! 相手はもしかしたら、あなたを心配するふりで自分の問題をすり替えているかもしれません。結婚、子供、仕事、あなたに問いかけた項目のどれか、相手自身も心配なのかもしれませんね。 相手をおばと仮定するなら、本書が見出した回答は「老後の計画、どんなふうに考えている?」。問題の矛先を相手に向けるのです。さらに保身として、「最近、疲れているから一人の時間を大切にしたいんだ」の一言。