太平舞 重要無形文化財第92号
足の動作が技巧的で際立つ舞
太平舞(テピョンム)とは、国の平安を祈願するための舞。太平舞は伝統舞踊の中でも最も足の動作が技巧的で際立ち、また腕の動作も多様です。
太平舞は静中動の美的魅力を持ち、動作が繊細で優雅。特に足を踏む動作は太平舞だけが持つ趣であるといえます。
サルプリチュム 重要無形文化財第97号
恨(ハン)をほどく。内面から溢れ出す感情を表現
サルプリとは巫俗(ふぞく)儀式で厄払いの意味で舞う踊りを意味します。サルプリチュムは白いチマチョゴリをまとった踊り手が、柔らかく軽い白いスゴン(布)を持って踊る舞で、静的かつ幻想的な動作が特徴です。
タルチュム
社会悪、特権階級に対する批判をユーモラスに表現した仮面劇
韓国語でタルチュムの「タル」とは仮面、「チュム」とは踊りの意味です。朝鮮時代から人々に親しまれてきたタルチュムは、支配階級であるヤンバンや僧侶の自分勝手さやずるさを風刺。正妻と妾の間のもめごとを通して男性中心社会を批判するなど、階級社会や日常生活における問題を、芝居や踊りを通して痛烈かつユーモラスに表現する民俗芸能です。
五鼓舞
五面の太鼓を打ちながら舞う
最初はゆっくり、だんだんと盛り上がりながらテンポをあげていく、ダイナミックな迫力ある太鼓の音が最大の見所の五鼓舞(オゴム)。メンバーの呼吸がそろった舞とリズムも魅力です。
剣舞
武術に起源を持つ剣の舞
剣を使った剣舞の大きな特徴は、ぐるぐる回る筵風擡(ヨンプンデ)にあります。筵風擡というのは、腰を前に屈めたり後ろに伸ばしながら回る動作のことを言います。
新羅時代に起源があると言われ、舞うときに鳴る金属的な音も特徴の一つといえます。
扇の舞
扇を利用した多様な動作が圧巻
扇の舞(プチェチュム)は、1950年代初めに作られた創作舞踊です。花の絵が描かれた羽のついた扇を利用して、花や波打つ様子などが群舞で表現されます。
優雅でありながらも躍動感あふれる動作が特徴で、現代韓国の代表的な舞の1つです。