企画書を用意する際に、監修をつけることにあまり意識が向かない方が多いのは、もったいないことです。監修については第16回の「監修と類書」でもお伝えしていますが、あらためて詳しく見ていきましょう。実質的には「監訳」の場合でも「監修」と表記することもあります。今回の内容は監訳についても当てはまりますので、以下では監訳も「監修」に含めてお伝えしますね。
質問ができる
翻訳をしていると、どうしてもわからないことがたくさん出てきます。そこでの調べものにはものすごく時間がかかりますし、そもそも何をどう調べればいいか見当がつかないこともあります。そんなときに、監修者の存在は心強いものです。玉石混淆の情報が氾濫するネットを徘徊することなく、何十年もの間系統立って蓄積された知識にアクセスできるのですから……!
信頼性が高まる
編集者さんにとっては、新人に翻訳を任せるのは不安がありますが、監修者が目を通してくれるのであれば、クオリティを心配せずにすみます。読者にとっても同様に、監修者が著名な先生であれば、その実績を信頼して手に取ることができるでしょう(翻訳家にとっては、監修者が長年築いてきた信頼をお借りするようなものですから、そのことの意味をよくよく理解して、傷をつけることがないようにしなければいけません)。
読者層が広がる
監修者の読者が手に取ってくれることも多く、監修をつけずに出版した場合に比べて、読者層が広がります。
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