建前だらけになっていませんか?
建前とは簡単にいうと「表向き」のことです。仕事関係の人に話をする時はもちろん、誰かに物事を伝えるときに私たちは、綺麗な言葉を使って相手に伝える方法をとりますよね。建前をうまく使うことによって、トラブルが起きづらくなったり、その場を切り抜けることができるなどのメリットもあります。
嘘と建前の区別が難しく感じてしまう人もいらっしゃるかもしれませんが、嘘と建前は全くの別物。嘘は自分の利益のために相手をだますこと、建前は相手に気分を損なわせないようにするために、言葉を変えて伝えるものです。すごく便利なコミュニケーション方法なので、協調性を大切にする人こそ、当たり前に使っています。
社会人の処世術として用いられる建前。けれど、時には裏である本音を隠すことで、余計に白々しく見えてしまったり、嘘っぽく感じられてしまうこともあります。大切なのは、建前と本音のバランス。人と接する機会が多い人こそ、この建前と本音をうまく使い分ける必要があるのです。
建前と仕事の関係
建前と仕事は強い関係性を持っています。
これまでは社外の人間である顧客はもちろんのこと、社内の人間である先輩や上司との会話でも、上手にコミュニケーションをとって物事を進めるには建前が必要で、建前を使うことが当たり前だとされてきました。建前をうまく利用することで「出世をする可能性が上がる」というほどに社内・外にかかわらず人間関係の構築が重要視されていたのです。しかし最近では、効率主義が求められ、限られた時間の中で多くの業績を残すことがベストだという考えに代わりつつあります。
綺麗な言葉でやんわりと伝える「建前」か、それとも厳しい言葉を使ってでも事実を伝えられる「本音」か。皆さんはどちらで会話された方がラクだと感じ、相手を信頼できるでしょうか。
建前を使うのはプライドを傷つけるから
そもそも、本音を使わず、建前で会話をしてしまうのはどうしてだと思いますか?
それは、プライドを壊さないためです。
取引先に提案を持っていく際も、会社やサービスをより良くするための手段として、まず現状の整理をするはずです。けれど、いきなり不届きになっている点や問題・課題を厳しく伝えてしまうと、相手を嫌な気持ちにしたり、プライドを傷つけて関係性が悪くなってしまうことがあります。そこで、問題点ではなく、改善案として今後どうしていくべきなのか、というニュアンスに変えることが大切なのです。つまり、顧客のために建前を利用しているということです。
けれど、今後社内の人間関係ではどうでしょう。
上司や先輩に、言いづらいと思っているけれど本当は伝えたいこと。我慢していませんか? 今後は、社内の人間関係以上に、効率を重視した成果が求められるようになってきます。
ここで必要になるのは、建前ではなく本音をはっきりと伝えることです。誰かを通じて先輩に話したり、遠回しに先輩に伝えるのは適切ではありません。同じ社内であり、チームとして接している先輩や上司に、建前で物を言う必要はないのです。