とにかく本物と同じになるようにこだわっている
――吉野家やカリモク60のチェアなど、色や質感が本物そっくりですが、どれくらいの期間や工程をかけて作られているのでしょうか。 小嶋さん「おおよその商品は、7~9ヶ月くらいかけて制作します。商品の3D原型を作り、そのあとに彩色サンプル品を作ります。ライセンス元の企業さまの監修を受けてから、何度も金型と試作品を作り直しながら完成させていきます」
カリモク60 ミニチュアファニチャー 第2弾
――どのシリーズも細部まで見事に再現されているのですが、企業とコラボした商品を作る際のこだわりを教えてください。 小嶋「コラボ商品の場合は、企業さまから正規のライセンスを取得しているので、とにかく本物と同じになるようにこだわっています。とはいっても、本物と同じ仕様のミニチュア版を作ればいいわけではないというところが難しいところです。陶器の感じを出すために光沢感をだしたり、吉野家さんの丼(どんぶり)のポイントでもある柄の細かさもきちんと再現させたかったので、柄が潰れないように再現する柄もミニチュア用に調整しました。曲面にプリントするため、調整も難しかったです。ただ小さくすればいいのではなく、実物のもつ味わいや世界観をミニチュアでどう再現するかというところはこだわっています」
吉野家 ミニチュア コレクション
柄が細かい~!(筆者撮影)
商品によってミニチュア化のサイズを変えている
――ただ小さくすればいいという話ではないんですね。
酒のある悦び ミニチュアコレクション
樽見純さん(以下、樽見)「カプセルに入る大きさで、精巧なミニチュアフィギュアとその世界観を提供するというのが私たちのポリシーです。弊社のミニチュアフィギュアは『実物の○分の1のサイズ』というように規定のスケールを決めていません。その理由としては、再現する商品によってミニチュア化に適したサイズがあるからです。小さいサイズにすると再現度のクオリティが下がってしまうものもありますし、せっかく購入いただいた価格に見合わなくなる場合もあります。かといってサイズを大きくすれば、今度はカプセルに入らなくなってしまうので、スケールに関しては商品ごとに変えています」