返事がないから嫌われている
同じく人間関係での思考の偏りです。私たちは、好きな人が好きなものを好意的に感じてしまうことがあります。これをハロー効果と呼びます。実は、このハロー効果もバイアスのひとつ。
それと同じで、仕事での付き合いにネガティブなイメージを持ってしまっていると、その先にいる相手にまで良くない方向で想像が働いてしまうことがあるのです。例えば取引先の相手からメールや連絡の返信がない場合。
通常であれば「確認漏れかな」と疑うべきですが「私は嫌われているから、返事が来ないんだ」とネガティブに捉えてしまうこともあるのです。これは仕事だけではなくプライベートでも同じです。
独身だから残業を任される
独身の女性は、子どもがいる女性の分まで働かされる……。
働き方についても、バイアスがかかってしまっていることがあります。本来であれば、残業することが当たり前になってはいけないはずのこと。仕事量が多すぎるがゆえに、残業をしなければいけない現状が続くのであれば人員を増やすのが正解です。けれど人手不足や人件費削減のために、常に仕事に追いついていないという職場環境は多いものです。
もちろん「子どもが居ても、残業をしなければならない」なんてことはありえませんし、だからといって「独身だから残業しなくてはいけない」なんてこともありません。
独身=残業を任されるという方程式が成り立っている職場でまず疑うべきなのは、仕事を依頼してくる上司や周囲の人が「独身の人は残業をしたがる」という思考の偏りを持っているかもしれないということです。残業代を生活費の中に含めて考えてしまっている人が多いからこそ、独身は残業をしがるという思いこみが勝手に生まれてしまっている可能性があります。
ライフステージが違う人同士の協力がないことには、膨大な仕事量をこなすことはできないのは事実ですが、独身世代と子持ち世代が対立するのでなく、組織としての仕組みや方針について、注意深くみていきたいものです。
思考の偏りがあるかも? 自分の答えを一度疑ってみて
いかがでしたか?
自分でも気がつかないうちに、生まれている思考の偏り。これがバイアスです。今回は代表的なものを紹介しましたが、まだまだ私たちにはたくさんのバイアスがあります。常に客観視した状態で、というのは難しいものですが、考える前でもなく「こうすべきだろう」と答えを導きだすのはちょっと待って。一度は、自分の答えを疑ってみるのもアリでしょう。
また、人と接する際には自分の価値観での発言を押し付けることのないように、配慮するようにしましょう。自分が当たり前だと思っていたことは、自分の知っている世界の中だけだったかもしれない。言葉というのは武器にも救いにもなるものです。無意味に人に刃を向けることのないように、気を遣っていきたいものですね。
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