今回は和訳レッスンを一休みし、「お酒」に関する婉曲表現をご紹介します。ぜひ肩の力を抜いてお読みください。

「お酒」を現す英語の婉曲表現は一度ですべてご紹介できないくらいたくさんあるのですが、今回はその一部をご紹介することにしましょう。

「お酒」に関する婉曲表現が多い理由は、お酒を楽しむ人が多い一方、お酒に否定的なイメージを持っている人も多いからだと思われます。お酒を楽しむ人は、遠回しな言い方をして、お酒に否定的なイメージを持っている人から非難されるのを避けているわけですね。

では、どのような婉曲表現があるか見てきましょう。

○drink

もともとは「液体を飲む」という意味だけで使われていましたが、15世紀くらいから「お酒を飲む」という意味でも使われるようになりました。

「お酒を飲む」ことを drink より上品な言い方をしたい場合は drink の代わりに imbibe を使うこともできます。

このdrink は動詞として「お酒を飲む」という意味でも使われますし、名詞として「お酒」という意味でも使われます。例えば、Would you like a drink? と聞かれれば、たいていの場合、「お酒を飲みませんか?」と誘われたと解釈されるでしょう。

○strong waters

直訳すれば「強い水」ですが、これで「アルコール飲料」という意味になります。

○water of life

直訳すれば「生命の水」となり、聖書では「(不滅の生命を与える)生命の水」という意味でも使われています。ただし、婉曲的に「ウイスキー」を表す言葉でもあります。

○firewater

直訳すれば「火の水」ですが、19世紀初頭から婉曲的にウイスキーやジン、ラムなどの「強い酒」を表す言葉として使われるようになりました。

○watering hole

もとともは動物が水を飲む「水たまり」のことを指していましたが、20世紀からは「ナイトクラブ」や「バー」を婉曲的に表す言葉として使われるようになりました。

○liquid refreshment

直訳すれば「液体の清涼剤」となりますが、英語圏では「アルコール飲料」を婉曲的に表す言葉として使われており、「liquid refreshmentを出します」と言われた場合にミルクやオレンジジュースが出されると「騙された」と感じる人が出てくるでしょう。

○liquid lunch

「アルコール主体の昼食」のことをこう言います。

○juice

日本語でいう「ジュース」とは「(アルコールを含まない)果実を絞った液汁」のことですが、英語の juice の定義は「果物、野菜、肉などの汁」のことであり、これにはアルコールが含まれているものも含まれます。また、婉曲表現として「酒」とか「ワイン」の意味で使われることもあります。