7世紀、日本の政治の中心地であった奈良・明日香村。現在はのどかな田園風景が広がるこの場所には、当時の面影を残した史跡が数多く残っています。不思議な形をした巨石や日本最古の大仏など、約1,400年の時を経て今なお、古代に触れ合える明日香村のオススメスポットをご紹介します。
1.甘樫丘(あまかしのおか)
当時、日本の政治を牛耳っていた蘇我蝦夷・入鹿親子が中腹と麓に邸宅を構えていたと言われる甘樫丘。148mの小高い丘の頂上にある展望台からは、明日香村や付近の山々が一望できます。
この場所に登り、親子はこの世を我が手に治めたと感じていたのかもしれません。
2.飛鳥寺
蘇我馬子が発願し、その後596年に推古天皇によって創建された日本最初の本格的な仏教寺院。当時は東西約200m、南北約300mもの敷地をほこる大寺院でした。
ここに安置されているのが、609年に造られた日本最古の仏像である飛鳥大仏。
東大寺の大仏よりも更に約150年も年上!数度の火災により、破損した箇所もありますが顔や指の一部などは当時のまま。
しかも建物は再建されていますが、安置されている場所は創建当時と変わらないんだそう。1,400年もの間、人々を見守り続けている大仏さん。目の前にすると穏やかな気持ちになり、合掌せずにはいられません。
3.入鹿の首塚
飛鳥寺の裏門を出て道を挟んだ先にある蘇我入鹿の首塚。645年に起こった乙巳(いっし)の変で、暗殺された入鹿の首は数百メートルも飛び、この首塚のある場所辺りに落ちたという言い伝えも。
首塚には今も草花が供えられ、村の方の供養の心が感じられます。
4.伝飛鳥板蓋宮跡(でんあすかいたぶきのみやあと)
7世紀、歴代天皇の宮が飛鳥地方に造営されましたが、いずれもその具体的な場所が確定されていません。そのうち皇極天皇の飛鳥板蓋宮はこの辺りに造営されたという伝承があり、調査が続けられて来ました。645年、この場所で中大兄皇子と中臣鎌足が蘇我氏を倒したと言われています。
ちなみに、この事件を大化の改新という名で教わった方も多いと思いますが、現在ではこの事件そのものは乙巳(いっし)の変。その後に行われた新しい改革を大化の改新と呼んでいます。