「井浦さんの言葉に救われた」

――本作で志田さんは主演を務めましたが、現場での先輩・井浦さんとのエピソードで覚えていることを教えてください。

井浦新×志田彩良、親子役に。「井浦さんの一言に救われました」
(画像=『女子SPA!』より引用)

『かそけきサンカヨウ』より

志田「父と娘のシーンを全て撮り終わって、次の日から同級生たちとのシーンが始まるというとき、井浦さんに『ここまでで陽の家庭のことや、芯になる部分は十分に表現できたと思うから、明日からは思い切り楽しんでやっておいで』と仰っていただきました。  それまで、明日からは先輩方がいない環境で、主演でもある私はどのようにみなさんと接すれば良いのだろうという不安がありましたが、井浦さんのその言葉に救われました。純粋に楽しんでお芝居すればいいのだと、すごく心が軽くなった記憶があります」

コロナ禍を経験して感じたこと

――劇中に、陽が同級生の陸くんに、お母さんの個展について行ってもらうエピソードが登場します。誰かに傍にいてもらうことは、それだけで力になるのだと感じましたし、コロナ禍を経験して、その大切さをより感じます。

井浦新×志田彩良、親子役に。「井浦さんの一言に救われました」
(画像=『女子SPA!』より引用)

『かそけきサンカヨウ』より

井浦「仕事をするにも、生活をするにも、人は誰かと分かり合いながら生きていきます。禅僧のように修行をするとか、特殊な環境にない限り、人との関わりはあるし、逆に言うと、関わりがないと生きていけません。それを制限せざるを得ない状況というのは、いろんなものを見直すきっかけになったと思います。 実際に会えない状況だからこそ、生まれてくるコミュニケーションツールもあります。そうしたツールが、この期間でだいぶ生かされましたし普及しました。それに僕個人としては、人と関わり合いながらでないと生きていけないからこそ、ひとりの時間やひとりでの過ごし方、生き方といったものを見直して、なあなあになっていた部分を正すことができた実感もあります」 志田「今の10代や20代は、SNSが当たり前にある環境で育ってきて、SNSを通して友人と繋がることが普通でした。コロナ禍を経験したことからプラスになったことを考えると、人と直接会って話すことの大切さに気づくことができた人も多いかと思います。 今までは、実際には会わなくても、友人と話すことや近況を知ることができました。ですが、本当に会えない状況になると、すごく寂しくなり、直接会って話すことはすごく大切なことだったのだという、当たり前のことに気づくことができました」