幸せを感じた時に分泌されるホルモン「セロトニン」は、分泌量が増えると食欲をコントロールしやすくなることが分かっています。食欲はダイエット成功の鍵を握るので、「セロトニン」とダイエットは深い関係があると言えますね!ではどうやったら「セロトニン」を分泌させることができるのか。今回は、栄養学とスポーツ科学を専門とする筆者がダイエットを成功させるために意識したい、セロトニンをたくさん分泌させる方法について紹介していきます。

食欲が止まらない原因は「ドーパミン」?

まずは食欲がどうして湧いてくるのかについて紹介します。

食欲が生じるメカニズムの鍵を握るのが、脳の「報酬系」の存在。おいしいものを食べるともっと食べたいと感じることがありますよね。これは、これは脳の「報酬系」が働いているためなのです。

おいしいものを食べると、脳からは「ドーパミン」という物質が分泌されます。ドーパミンは快楽や快感を感じさせる物質で、脳の「報酬系」に働きかけてもっと食べたい欲を生じさせます。

ダイエットをしていると、摂取カロリーを抑えるために、食欲との闘いがしばしば起こるかと思います。しかし、気持ちでは食べない方が良いと思っていても、無性に食べたい欲望が抑えれない、突発的にお菓子に手を伸ばしてしまうというのは、脳の「報酬系」が関係しているのかもしれません。

「セロトニン」が食欲をコントロールしてくれる

『common』より引用
(画像=『common』より引用)

ここで登場するのが、今回ご紹介する、幸せホルモンと呼ばれている「セロトニン」です。

「ドーパミン」は脳の報酬系を活性化させるホルモンですが、「セロトニン」は「ドーパミン」の働きを抑える働きがあります。つまり、「セロトニン」を多く分泌させると脳の「報酬系」の働きを抑制し、食欲を正常に保つことができます。「セロトニン」は、ダイエット成功の鍵を握るホルモンだと言えますね。

食欲を増進させるストレスホルモンに注意!

『common』より引用
(画像=『common』より引用)

「セロトニン」は食欲を抑えてくれるホルモンですが、反対に食欲を増やすホルモンも2つご紹介しましょう。

一つ目は、ストレスを感じた時に分泌される「コルチゾール」というホルモンです。「コルチゾール」は炎症を促進させるホルモンとして知られていますが、交感神経を活性化させ、自律神経を乱れさせる側面もあります。自立神経が乱れると、食欲のコントロールが上手くいかなくなることがあります。イライラして無償に食べたくなることがありますよね。それは、自立神経の乱れによるものかもしれません。

もう一つは「グレリン」というホルモンです。摂食中枢に働きかけて食欲を増進させます。また食欲を抑える「GLP-1」や「PYY」といったホルモンの働きを抑えることも知られています。「グレリン」の分泌が増えてしまう原因が、睡眠不足。睡眠が足りていないと、食欲が抑えられず太りやすくなってしまうのです。

スムーズにダイエットを成功させるには、食欲を抑える「セロトニン」の分泌の増加を促すとともに、食欲を増進させる「コルチゾール」や「グレリン」の分泌をおさえる習慣を心がけることが大切です。