人が列を作る心理を活用して、自分の価値を高めましょう! 今回は「希少性」というキーワードをもとに、人が集まる理由と自分の価値を高めて人気を集める方法を学びましょう。
改元があり、御朱印を求める人が何時間も列をなしたという報道がされました。また、特別セールで商品を取り合う姿がニュースで流れることも、行列のできるラーメン屋さんが話題になることもあります。最近ではタピオカ屋さんが一気に増え、どの店舗にも人の列を作っていますね。
このように、人が列を作る心理はどこにあるのでしょうか? これがわかれば、あなたの会社にもお客様が列を作るはずです。
「希少性」で購買心理を高める
そこにある心理は「希少性」です。珍しいものや手に入らないものは欲しくなるという効果です。例えば、骨とう品ですが、何億円の値が付くことがあります。絵画だと何十億円です。これが「希少性」で、手に入りにくいものは貴重に思えて、価値あるもの考えるようになる心理です。
希少性にはどのような効果があるのでしょうか?
クッキーの味を評価してもらう希少性についての実験がありました。実験の被験者は以下の4つのグループに分かれ、どのクッキーが美味しかったかを評価しました。
【グループA】
びんの中の10個のうちの1個のクッキーを食べさせた。
【グループB】びんの中の2個のうちの1個のクッキーを食べさせた。
【グループC】クッキー10個が入ったびんを見せた後、他の被験者が食べたと伝え、残り2個のうちの1個のクッキーを食べさせた。
【グループD】クッキー10個が入ったびんを見せた後、スタッフの手違いだったということで8個を取 り出し、残りの2個のうちの1個のクッキーを食べさせた。
その結果、グループCの人々が最もクッキーが美味しいと評価しました。これによって、残りが少ない方が、たくさんある中から与えられるよりも美味しく感じるという結果になりました。希少性には価値を高める効果があることが証明されたのです。そして、他の被験者の存在が価値を高めることがわかりました。
希少性が働いた例
以前、品薄になって、購入するために長蛇の列になったケースがあります。例えば、ダッコちゃん、フラフープ、たまごっち、スーパーファミコン、ドラゴンクエストのソフトなどです。また、トイレットペーパーやお米も品薄になったことがあります。どこに行っても品物がなくて、これらの価値が高くなったのです。
心理的リアクタンス
希少性の心理は、「心理的リアクタンス」によるものだと説明できます。リアクタンスとは“抵抗”のことであり、禁止されたことに反発して逆にそのことをしてしまう心理のこと。
人間は昔から弾圧に対して戦ってきました。このように私たちは自由に行動したいという心理があり、これを禁止された場合、人は自由の獲得するために反発して戦ってきましたが、これも心理的リアクタンスによるものです。
皆さんの中には、「ロミオとジュリエット効果」という心理効果をご存知いらっしゃるかもしれません。ロミオとジュリエットは周囲の反対を押し切って恋に落ちてしまいます。周囲の反対が恋心に火をつけて燃え上がらせたのです。
同じように、顧客は購入する自由を制限され、心理的リアクタンスによる反発から購入意識を高めるのです。