月収が26万円から8万円に

「収入の7割がその会社からの報酬でした。一極集中はリスクがあるから何とかしなきゃとは思ってはいたのですが、仕事が忙しかったこともあり、新規の顧客獲得のための営業は行ってなかったんです」  それまでの月収は26万円前後でほぼ安定してましたが、大得意先を失ったことでわずか8万円に急落。フリーランスであることを怖さをこのとき初めて身をもって知ることに。  

あわてて新規のクライアントを探そうとしますが、コロナ禍でどの会社や店舗も厳しい状況。ホームページのデザインは、こだわりがなければ外部委託せずとも素人でも作れるため、真っ先に経費削減の対象となる可能性がある部分です。当然、新しい取引先を確保して穴埋めしようという甘い考えは、すぐに打ち砕かれてしまいます。

「それまで単発や期間限定で取引のあった会社やショップに営業をかけてみましたが見事に全滅。仕方なくネットのアウトソーシングサイトに登録し、そこで新規の仕事を得ることはできましたが報酬がビックリするほど安かったんです。  

サイトを通さずに個人に見つけてきた仕事なら、再び月収20万円台に戻すこともできたと思いますが、激安案件ゆえに12~14万円がやっと。断れば生活できないので拒否することもできず、その現実に今さらながら愕然(がくぜん)としています」  

全体の仕事量は大口クライアントを失う前とあまり変わらないのに収入は半分。以前と同じ暮らしを続けていれば家計は破綻するのが目に見えており、生活レベルを落とさざるを得ませんでした。