”摂食障害”は今でこそよく耳にする言葉になりました。
みなさんは過度なダイエット経験ありませんか?
極端な食事制限を行うダイエットは、摂食障害を招く可能性があります。
摂食障害の危険性を正しく知る機会になれば嬉しいです。
摂食障害とは
摂食障害とは、食行動として過食や拒食を繰り返すことで障害を有する精神疾患です。
極端な食事制限を行う「神経性食欲不振症」(いわゆる拒食症)と、むちゃ喰いと体重増加を防ぐための代償行動を繰り返す「神経性過食症」(いわゆる過食症)とにわけられます。
どんな状態かというと、実際は痩せているのに自分は太っていると思い込んでしまい食べることが怖くなったり。
少しでも体重が増えることの恐怖から”自ら吐く”ということを選択したり。
食との付き合い方が難しくなってしまう状態でもあります。
摂食障害はとくに10〜20代の女性に多く、理由としては過度なダイエットが挙げられます。
これらは肥満に対する恐怖心や強い痩せ願望から影響されることも大きく、心身ともに専門的な治療が必要になります。
拒食症と過食症の違い
摂食障害は、「神経性食欲不振症」と「神経性過食症」に分類されます。
2つのタイプの判断基準とその症状について解説します。
神経性食欲不振症(拒食症)とは?
食べることや太ることへの強い恐怖心や自分で誘発した嘔吐を繰り返す状態では拒食症が疑われます。
さらに拒食症の症状や判断としては、正常値範囲を多いに下回る痩せ状態があげられます。
BMIと言われる体格指数がありますが、成人ではBMIが15kg/m2未満になると最重度の痩せと診断されます。(BMI = 体重(kg) / 身長2(m) 18.5未満は痩せと分類される)
具体的には、
- 食行動の異常(拒食→過食→嘔吐を繰り返す)
- 強いやせ願望
- 肥満への恐怖心
- 実際は痩せていても、自分は痩せていると思えない
- 病気とは感じていない
- 無気力や抑うつ状態になる
拒食症になると、体重やカロリーといった数字への執着心も強くなってきます。
少しの体重増加も気になり、カロリーのことで頭がいっぱいになることもしばしば。
こういった状態から、心身ともに辛い状況が続いてしまいます。
- 拒食症が招く危険性
- 無月経、低体温、貧血、脱毛、うぶ毛が濃くなる、寒がり、皮膚の乾燥、むくみ、骨粗鬆症、味覚障害、聴覚過敏、けいれんなど。
これらは拒食症による低栄養状態が懸念されます。
ただし、その状態にすら本人の自覚がないことが多いのも拒食症が怖いところでもあります。
神経性過食症(過食症)
過食症の症状は食べ物のことで頭がいっぱいになり、「むちゃ食い」や「ドカ食い」、食べたい欲求が自分では抑えられない状態になります。
拒食症と同じように、食べてしまったことへの恐怖から自発的に嘔吐や下剤を用いることもあります。
ただし食べた後には、強い罪悪感や抑うつ感が出てしまうといった精神的な支障をきたすことも多いです。
- 食べたいという欲求が自分でコントロールできない
- 食べだすと止められない
- 夜間の過食を起こす
- 嘔吐、下剤の乱用がある
- 不安や自己嫌悪、抑うつ状態がみられる
具体的には、
過食症になると、過食した後への罪悪感から抑うつ状態になり、引きこもりやパニック症、アルコールへの依存状態など精神面への負荷も大きいです。
こういった悪循環には注意が必要ですね。
- 拒食症が招く危険性
- 虫歯、口内炎、食道裂孔、胃けいれん、不整脈(低カリウム血症)など
過食症では、嘔吐や下痢による合併症が危険です。
繰り返し行うことで胃や粘膜を傷つけ、カリウムが失われることで低カリウム血症を引き起こすこともあるため注意が必要です。