そんなマルグリットを演じるにあたり、3⼈の視点で物語が語られる 3 部構成を⽤いた本作では、同じ台詞の同じシーンを絶妙な演技で演じ分けなければならない。ジョディは「男性たちがそれぞれに思っているマルグリットを表現して、差し出していかなければいけなかったんです。その時、その時に彼らが必要としたマルグリット、という意味でもありますよね。誰かが私にこうあってほしいと思っている姿を演じ分けるなんて、たいていの映画では必要ありません。そういう意味ではとても楽しい体験でした。」と当時の撮影を振り返り、共演者も⾆を巻くほどの離れ業を“楽しみながら”やってのけたのだから驚きだ。

映画の公開を直前に控える中、エグゼクティブ・プロデューサーとしても名を連ねるマットは「原作を⾒つけた瞬間、「デュエリスト/決闘者」を思い浮かべました。それがリドリー・スコット監督の初めての作品だし、誰も彼のように中世フランスの世界を構築することはできない上に、⼀連の作品で素晴らしく、そして強い⼥性の演技を提⽰してきていますから。彼なら最⾼の仕事ができると考えました。」と 83 歳にして、エネルギッシュで挑戦的な新作を続々と発表し続けるリドリー・スコット監督と作り上げた本作に絶⼤な⾃⾝を覗かせていた。

ヴェネチア国際映画祭でのワールドプレミアから、パリ、ロンドンを経て、ついにニューヨークでのプレミア開催となった本作。集まったカメラマンやメディアに笑顔で応えるキャストたちの姿が印象的で、⽇本のみならず、アメリカでも、いよいよ映画の封切りを迎える期待と興奮が⾼まっている︕︕

1386 年、百年戦争さなかに実際に執り⾏われたフランス史上最後の“決闘裁判”は、600 年以上経った今もなお、この“決闘裁判”における判決が歴史家たちの間で物議を醸している、世紀を越えたスキャンダルである。“本当に裁かれるべきは⼀体誰なのかー” 『最後の決闘裁判』は10⽉15⽇(⾦)より全国公開。