自分のことを大事する気持ちを取り戻してほしい
――「チャラチャラするな!」とか、「お前には、ボロボロの下着で十分」などと言われるのでしょうか。 柴尾「そうですね。言葉にしなくてもそんな圧をかけるようなところがあります。そうやって女性の自尊心も低く貶めてしまう。そんな女性たちが着の身着のままで逃げてこられた場合、下着も足りないだろうなと。 実用的なものも考えましたが、女性としての高揚感を呼び覚ましたり、『女性に生まれてよかったな』と思える気持ちになるものって、嗜好品のほうがいいかなと思いまして。 行政側に相談して、「もしかしたら却下されるかも」と思ったんですけど、受け入れてくださったので、弊社の下着を寄付させていただきました。女性たちに美しいものや自分が気に入ったものを身に着けて、『私、ちょっときれいかも』とか、『自分のこと大事にしたいな』という気持ちになってほしいと思いましたので」
他人の言葉に振り回されるのはやめにしよう
――素敵な下着を着けていると、ちょっと強くなったような、誇らかな気持ちにもなれますよね。 柴尾「はい。実際に、DVの被害者だったり、デートDVをする彼氏と別れて『速攻で下着を買いに行った!』という女性のお話もけっこう聞きました。やっぱりきれいな下着を買わせなかったり、けなすような言動で精神的な支配を強めていく例は少なくないようです。 そこを多くの女性に気づいてほしいし、『私はこんな素敵な下着を着ける資格はない』とか『私は貧乳すぎて価値がないから、豊胸手術しないとだめかな』とか、簡単に思い詰めないでほしいです。 それよりももっと自分と向き合って、それでもしたいと思ったらその気持ちは尊重されていいと思いますが、闇雲に、誰が言っているかもわからない他者基準に振り回されるのは止めにしようよと、心から言いたいです」