主婦やOLの間でも人気急上昇の株主優待。株主優待は、株式を購入することで自社製品や地方の特産品、外食やスーパーなどの割引券がもらえる大変お得な制度です。株主優待の権利を獲得するためには、権利確定日の2営業日前までに株式を購入する必要がありますが、実は、極端な話、わずか1日の保有でも権利を獲得することができる魅力的な制度なのです。自らも約150銘柄に投資し、株主優待ライフを満喫している、かすみちゃんに話を伺いました。
大失敗からの復活。外食3社の株主優待狙いで仕切り直し
――株式投資を始めたのはいつごろですか?また、当初から株主優待を目当てに株式を購入していたのでしょうか?
初めて株を購入したのは2001年でした。当初は株主優待の存在を知らず、キャピタルゲイン(値上がり益)狙いの軽い気持ちでスタートしました。
でも、購入した銘柄がことごとく値下がりしてしまったんです。
当然、購入した時は値上がりすると信じていましたから、なかなか損切りができませんでした。
そのうち、含み損が膨らんでしまって、ついには“塩漬け”状態になってしまったんです。
――最初に購入した銘柄には、株主優待はなかったのですか?
いえ、東急(当時は東急電鉄)の株を購入していたので、同社が運営する電車やバスの乗車券が株主優待として自宅に送られてきました。
でも、ろくに見もせずにゴミ箱へ直行していたんです。
それからしばらくして、街のチケットショップでそれと同じ株主優待券が売られているのを見つけたんです。
それを見て、「お金になるものを捨ててしまうなんて、もったいないことをしてしまったんだな」と、とても後悔しました。
それを機に株主優待を研究し、キャピタルゲイン狙いではなく、株主優待狙いに投資スタンスを変化させたんです。
――最初に株主優待狙いで購入した銘柄を覚えていますか?また、それまで塩漬けになっていた銘柄はどうしたんですか?
この時、塩漬けになっていた銘柄の含み損はトータルで100万円を超えていました。
それらをすべて売却し、松屋フーズホールディングス(9887)、ワタミ(7522)、コロワイド(7616)の外食3銘柄を新たに購入しました。
松屋フーズホールディングスは、牛丼の「松屋」やとんかつの「松のや」、ワタミは居酒屋の「和民」、コロワイドは「甘太郎」「かっぱ寿司」、ステーキ宮などを運営している外食企業の大手です。3社合わせて毎年数万円分の食事券が株主優待としてもらえます。
3社とも購入したのが権利確定日だったので、翌日以降、いったん株価が下がってしまいましたが、株主優待狙いでしたので、あまり気になりませんでした。
というのも、売らない限り、株主優待は毎年もらえますし、同時に配当金も入ってきます。
2003年に購入したコロワイドと松屋フーズは今でも持ち続けていますので、もう十分に利益は乗っています。
――かすみちゃんは、株主優待ブログで有名ですが、このブログはいつからスタートしたんですか?
2001年からホームページはやっていたのですが、ブログを本格的に始めたのは2004年の7月です。
最初は余裕資金の範囲で控えめにやっていたのですが、ブログを始めると、「もっと見てもらいたい」という欲求がどんどんエスカレートしていったんです。
それで、日常の生活を節約して、株式購入の資金に充てました。
節約といっても、株主優待券のおかげで外食は基本、無料でしたので、お金が溜まるスピードはどんどんアップしていきました。
今では、保有している銘柄は150銘柄を超えていて、毎日のように何かしらの株主優待が自宅に届いています。
株主優待を金額換算すると、年間100万円くらいの価値はあるのではないでしょうか。
もちろん、これからも増え続けていく予定です(笑)。
株主優待の内容や、株主優待券を使った外食の様子はブログでどんどんお伝えしていきますのでチェックしてくださいね。
エース級の銘柄を残して強いポートフォリオをつくる
――これから株主優待にチェレンジしようとしている読者にアドバイスをお願いします。
まず、株主優待は長期保有が前提となります。
株主優待の権利を取った後、株価が値上がりしてくると、どうしても売却して利益を確定したくなりますが、株価が上昇している銘柄を次々に売却していくと、ポートフォリオは値動きがよくない銘柄ばかりになってしまいます。
野球にたとえるなら、エースや4番打者がどんどん引き抜かれていく状態で、チームが弱くなってしまうのです。
本来、売却すべきは、どんどん値下がりしてしまうような銘柄。
活躍しない銘柄を切って、エースや4番打者を大切にしながらチームを強くしていくんです。
私自身も過去に利益の出ているエースをどんどん売却してしまい、大きな損失を出したことがあります。
私は、それで実際に失敗しましたが、みなさんは私の経験を参考に強いチーム作りを目指してください。
――かすみちゃんのポートフォリオの中のエースを教えていただけますか?
一番信頼を寄せているのは、ソニーグループ(6753)です。
ソニーのAV機器の15%割引が株主優待となっているのですが、毎年、この株主優待をゲットしながら、株価上昇による含み益はすでに200万円を超えています。
また、化粧品メーカーのファンケル(4921)は、同社のサプリメントや化粧品をカタログから選ぶことができます。
この銘柄も60万円くらいの含み益となっています。
そのほか、クオカードが株主優待となっている船井総研ホールディングスでも50万円くらいの利益が出ています。
上記3銘柄は、私のポートフォリオでは10年選手ですが、株主優待に加え、株価上昇による利益ももたらしてくれる“二刀流”の選手たちなのです。
――投資初心向けのオススメ銘柄はありませんか?
ひろぎんホールディングス(7337)はどうでしょうか?
同社は、地銀上位の広島銀行が中核の会社。購入株数によっても異なりますが、最低投資金額でも地元特産品のカタログギフトで2500円相当の商品をチョイスすることができます。
ちなみに、同社の株価は633円(2021年10月5日現在)ですので、6万3300円で投資することができます。
配当も年間で2400円が予定されていますので、6万3300円の投資で年間4900円相当を受け取ることができるのです。
配当利回りに換算すると9%以上。メガバンクの定期預金金利が0.002%の時代ですからすごいと思いませんか?
株価が安いことも初心者向けだと思います。
――銘柄を選ぶ際に注意したいことはありますか?
たとえば、外食企業の場合、せっかく株主優待をゲットしても近所にお店がなければ使えませんよね。
ですので、まずは自分が頻繁に利用できる株主優待を見つけることです。
田舎暮らしの方で近所に外食があまりないなら、クオカードやカタログギフトの株主優待を行っているところいいでしょう。
ただ、注意したいのは企業業績が芳しくないのに魅力的な株主優待を行っている会社です。
最近では、株主優待そのものを廃止したり減額する、いわゆる「優待改悪」もめずらしくありません。
株主優待は企業にとってもコストとなるために改悪に踏み切るケースもあるのです。
株主優待の改悪は、それまでに保有していた投資家が一斉に売却するために株価も下がってしまいがちです。
ですので、優待利回りだけで選ぶのではなく、企業業績が安定しているかも重要なチェックポイントになります。
株主優待狙いの投資は基本、長期投資ですので、日々の株価の上下に一喜一憂する必要はありません。
とはいえ、四半期に一度は決算が発表されますので、決算短信などを見て、業績はチェックしておいたほうがいいでしょう。
なお、株主優待でもらえる内容はもちろん、権利が確定する日も企業ごとにことなります。
私のブログでは、各月ごとの株主優待やそのほか重要な情報をまとめていますので、興味のある方は、一度お立ち寄りください。
一緒に株主優待ライフを楽しみましょう。
文・fuelle編集部
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