視界に入る人の心理とはどのようになっているのでしょうか?気になるあの人をついつい目で追っている自分に気づくとき。一方で、高圧的な態度でことあるごとに同僚と比べる上司。視界に入る人の心理ってなぜ起きるのでしょう?今回はその仕組みや心理を10個ご紹介します。
視界に入る人の心理はなぜ起きるのでしょうか?
見たいものだけを見る脳
人は五感を通して毎秒数百万ビットの情報を絶えず受け取っています。ここでいう情報とは、その視界に見えるもの・見えないもの、声や風などの音、肌に触れる感触や味覚などの感覚すべてです。その中で人の脳が1秒間にどれだけの情報を処理できるのか聞いたことがあるでしょうか?
諸説ありますが、人の脳が1秒間に処理できる情報量は126~137ビットと言われています。私たちが意識的に気づいているのは、膨大な情報のほんの一部なのです。心理学で言われている【スコトーマ】。盲点という意味ですが、私たちは目の前にあってもその情報を削除しています。
実は引き寄せている
私たちの脳は重要でないものを削除する機能が備わっています。ここでテストしてみましょう。部屋の中にある【赤いもの】をすべて探してみてください。探せましたか?次に目を閉じて、部屋にあった【みどり色のもの】を思い出してください。目を開けちゃダメですよ!
引き寄せの法則
さあ、どのくらいの数の【みどり色の物】を思い出すことができましたか?“あれ、ここにもあった…”と、ほとんど思い出せなかったのではないでしょうか?そう、人は探しているものや普段、意識しているものしか目に入ってこないため、見つけることができないのです。
【隣の芝生は青く見える】ということわざがあるように、素晴らしい人生を送っている人、結果を出す人、大きなチャンスを引き寄せている人っていますよね。その人たちは幸運の持ち主なのでしょうか?
実は、その人たちが実践しているのがあの【引き寄せの法則】。一般的に結果が自分の目の前に現れると思われがちですが、成功をする人や素晴らしい結果を残す人は、自分の欲しい結果を自分の目の前に引き寄せ、持ってこれるよう、その結果にフォーカスし、意識的にその流れを作り出し、引きつけているのです。
視界に入る人の心理とはどうなっているのか?その仕組みについて
脳のシステム
こんな経験はありませんか?友人や恋人と同じ映画を観ていて、その印象や気づいたことがまったく違っていた!そんな体験をあなたも一度はしているかも。同じ体験をしても脳では削除されてしまうため、違う体験をしたかのようになってしまいます。さらに、その情報は「〇〇は◆◆」と大枠で捉えられ、一般化されます。
例えば【桃太郎】という昔話。川で洗濯をしていたおばあさんの元に、大きな桃が流れてきて中から男の子が誕生し鬼退治に行くお話ですが、村人を助けるために仲間を集めて鬼退治し、平和をもたらす英雄伝と捉えるか、子どものなかった老夫婦の元に元気な男の子ができて家族愛に恵まれたと捉えるか。一般的には前者ですよね。
そしてさらに私たちの脳は毎秒数百万ビットで受け取る情報を【削除】し、【一般化】し、【歪曲】します。【歪曲】とは、ねじ曲げられるということ。夕暮れ時、庭にあるホースで水を撒こうと思ったら“ヘビだった!”という義理の母の話を思い出します。目に見えているはずの情報がねじ曲げられて脳に受け取られた結果です。
RASとは
視界に入る人の心理を脳の側面を見ていきましょう。脳にはこれまでの説明のように【RAS】と呼ばれる機能があります。Reticular Activating Systemの略で、日本語では「網様体賦活系(もうようたいふかつけい)」と訳されます。
数百万ビットの情報の中からあなたにとって大切な事や関心事がこの機能によって優先的に選ばれその意識に上がってくるという機能。情報のフィルターとなります。たとえば、ベンツが欲しいと思った時、やたらと外車が走っていたり雑誌に目が行ったり。子どもが欲しいと思うとき、妊婦さんが散歩しているのを目にしたりする。
前述の引き寄せの法則を実践している人たちというのは、この【RAS】と呼ばれる脳の機能を上手に活用してゴールを設定し、その目標を脳にインプットさせ、それに関する情報をいち早くピックアップできるように仕向けているのです。
カクテルパーティ効果
視界に入る人の心理を心理的側面から見ていきましょう。【カクテルパーティ効果】って聞いたことありますか?その名の通り、ワイワイガヤガヤしている空間でもあなたが気に入っている、もしくは、大好きな人が現れたら、どんなに遠くても、周囲にうるさい騒音があっもその人の声を聞き分け、その姿が目に入るというもの。
好きな人や欲しいものが視界に入ることはわかるけど…。逆に苦手な相手や嫌いな人はどうして視界に入ってくるの?と思いますよね。その苦手を作り出している原因は実は自分の中に見つけることができます。主だった3つの原因を見ていきましょう。
視界に入る人の心理・苦手をもたらす作用はなぜ起きるのでしょうか?
自分の価値観で相手を見ているから
誰もが大人になるまでに【価値観】を作り上げていきます。価値観とは、物事や出来事に対し、善悪や価値がある無いを判断する、自分にとって大切なものを見極めるための判断基準や考え方の事です。そして、価値観は人によって全く異なるので、その事を知らない、あるいはその違いを受け入れられないと対人関係に影響します。
ある人にとって仕事は生活をするために必要なものだという価値観があるとしましょう。その人にとっては短時間労働・給与の多さが重要視されます。すると、新しい挑戦を試みる同僚や仲間の健康を慮って残業を手分けするような仕事の仕方をする人に対して理解できずにイライラしたり、否定的にその人を見たりしてしまいます。
当然、そう見られた相手はその人の持つ【価値観】を否定されるような態度を取られるものですから、いい気分にはならないですね。対人関係に溝ができる大きな原因の一つです。
他人からの視線(評価・好き嫌いなど)を気にしすぎるから
自分の発言が人からどう見られているか気にしてしまうことはありませんか?
「わたしがこんなことを発言したらどう思われるだろう?」
「またあの上司、わたしばかりに嫌味なことを言ってくるに違いないわ」
「わたしの話ってつまらないと思われてないかな?」
こんな風に人の目が気になって自分の発言や態度が人からどう見られているのか気にしすぎてしまうことはありませんか?このような考え方のできる人は、その場の空気を読める周囲の人への心配りのできる人でもあります。
ただそれが行き過ぎてしまうと、相からの評価や見え方が気になりすぎて、人の視線に恐れを感じてしまったり、人との会話やコミュニケーションを遠ざけることになってしまいます。そうして気づけば、人との距離がひらいてしまい、対人関係に苦手意識が生まれてしまう原因ともなります。
過去の対人関係でのトラウマ
過去の対人関係で辛い思いをしたことがあり、それが原因でトラウマ(心の傷)を負ったことがあると、また同じような辛い思いをしたくないために無意識のうちに人と距離をとってしまうことがあります。また、その時と似たような状況になったりすると冷静に対応できなくなるということがあります。
例えば、学生時代に先輩にこっぴどく叱られ怖い思いを経験をして、その心の傷が癒えずに残っていると、上司に叱られたときに嫌な記憶が甦り、その上司が現れ、視界に入る人の心理として苦手意識を持ってしまい、その上司の前では緊張してしまう。逆に好感を抱いた友人に上司が似ていれば、好感を持つというわけです。
脳からの側面、心理的側面から見てきた視界に入る人の心理ですが、ここまででどうやってその視界に入るのか?なぜ、視界に入るのかがわかってきたところで、あなたは自分のことをどの位わかっているのかを10個の質問から導き出してみましょう。