1週間分の衣装を抱え、地方の収録へ
――そんな苦労があったんですね、電車通勤していたことも驚きです!
茂森:「うたのおにいさん、おねえさんは事故などにあったら困るので電車で通ってください」と言われていて、NHKから渋谷駅まで歩いて電車に乗っていました。
――番組時代にとくに大変だったことはありますか?
茂森:地方での番組収録です。水曜に1週間分の衣装合わせをして、木曜にそれをすべて持って地方へ行っていました。私はなぜかスーツケースを使うことを思いつかなくて、10kg超えの荷物を背負って行っていたんです(笑)。それで肩を痛めてしまいました。
また、今だったらあり得ないことですが、コンサートのときに私もけんたろうおにいさん(速水けんたろうさん)も体調を崩し、ギリギリの状態でコンサートをしたこともあります。
歴代おにいさん、おねえさんと再会して感じたこと
――本当に大変なお仕事なんですね。楽しめるようになった時期はありましたか?
茂森:6年間やっていたのですが、楽しいと思えるようになったのは4年目くらいからです。3年目までは与えられたことをやることで精一杯でした。
それでも頑張ることができたのは、視聴者の方が本当に温かかったからだと思います。とくにお母様方のお手紙に本当に助けられました。子どもたちが手を振ってくれたりするとすごく嬉しくて、気持ちを支えていただきました。
――番組を卒業してからは、歴代の出演者との交流はあるのでしょうか?
茂森:コロナ禍以降はコンサートなどは難しいのですが、2019年は番組開始60周年のコンサートで歴代のおにいさん、おねえさんたちと会うことができました。
そのリハーサルがすごく楽しくって! 「このリハーサルが終わらなければいいのに」とみんなで言っていたくらいです。番組スタッフの皆さんがほのぼのとした温かい空気感を守り続けてくださっているからこそ、『おかあさんといっしょ』という番組が続いてきたんだなと思いました。