ネパール流濁り酒と水牛料理の濃厚な味わい

絶品スパイス料理にハマる人続出。日本で食べるネパール料理が癖になる
(画像=「カスタマンダップ」のバフチリ&パニプリ&ピロアール&チャン、『女子SPA!』より引用)

一方、辛味も塩気もガツンと効いた料理を出すのが、大塚にある「カスタマンダップ」。

 シェフのナレスさん曰く、「『ネワール族』は、とにかく祭り好き。そのたびに朝から酒のアテ、ご馳走を数十種類も仕込むため、自然と味付けが濃くなるのです」とのこと。その濃厚な料理が日本の酒飲みにも好評なのだ。

 おすすめはネワール族でポピュラーな水牛料理。バフチリは甘辛ソース炒めで、口に入れた瞬間は玉ネギの甘味が印象的だ。臭みの少ない水牛の肉からは、身の甘味やコクが滲み出る。そしてチリやクミンなどスパイスの香味がピリリと。この複雑味にはネパールの濁り酒・チャンを合わせたい。

 やかんを高く持ち上げて、テーブル上の杯にチャンを注ぐ店員さん。ナレスさん曰く「単なるパフォーマンスではなく、勢いよく入れることでチャンの粒子が細かく混ざり合う」のだとか。こぼさずに注ぐさまは、見事の一言だ。

絶品スパイス料理にハマる人続出。日本で食べるネパール料理が癖になる
(画像=チャンの原料はシコクビエ、米、ムギ、トウモロコシで、まろやかな味わい、『女子SPA!』より引用)

ネパールの国民的スナック・パニプリも必食

 ネパールの国民的スナック・パニプリも必食の皿だ。外側の球状の皮は小麦の生地を薄く揚げたもので、中にはスパイス風味のマッシュポテトとグリンピースが入る。食べる際は頂の穴からネパールの梅・ラプシーの酸味が効いたスープを注ぐ。こちらはスパイシーなポテトフライといった趣で、抜群にビールに合う。

 またピロアールはジャガイモのスパイシー煮込み。「この店でいちばん辛い料理」(ナレスさん)というから、“スパイス強者”なら挑戦したい一皿。もし舌が痺れたら、ビールで洗い流すのもいい。

 仏教徒も多く、日本と共通点のあるネパール。杯を重ねれば、遠く5000km離れた異国がグッと身近に感じられることだろう。

「カスタマンダップ」のバフチリ&パニプリ&ピロアール&チャン バフチリ(900円)は水牛の旨味とチリの辛み、玉ネギの甘味がくせになる一皿。パニプリ(580円)にラプシーのスープを注げば味が激変し、他で味わえない食感に。ピロアール(450円)&チャン(600円)