「ちょっと幸せ」をテーマに、グルメ・美容・健康・カルチャーなど、女性にうれしい情報満載のフリーマガジン「Poco'ce(ポコチェ)」から高畑充希さんのインタビューをお届けします♪

cover interview 高畑充希

福島県、南相馬に実在する映画館「朝日座」が舞台の映画『浜の朝日の嘘つきどもと』。

これは東日本大震災、福島の原発事故に続き、このコロナ禍で苦境に立たされた映画館を、映画へのかけがえのない想いと、恩師との約束を果たすために必死で守ろうとした人々のお話。

小さな“嘘”を重ねながらも映画館再建に奮闘する茂木莉子を演じた主演の高畑充希さんにお話を伺った。

Profile

cover interview 高畑充希
(画像=michillより引用)

1991年生まれ。2005年山口百恵トリビュート・ミュージカル舞台「プレイバックPart2〜屋上の天使〜」にてデビューし、ミュージカル「ピーターパン」では主演を務めた。NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」にて注目を集め、同枠「とと姉ちゃん」ではヒロインを演じた。本年の出演作として、主演ドラマ「にじいろカルテ」、映画では、「明日の食卓」「キャラクター」など。11月よりWOWOWにて連続ドラマW「いりびとー異邦人ー」がOAされる。

どうしようもないことと、どう折り合いをつけるかなんかモヤモヤする…そんな時に見てもらえたら

「今、隣にいる人や近くにあるものは、すべて当たり前ではないんだと、頭ではなく肌で感じるような時間でした」

撮影時を振り返って、そう話し始めてくれた高畑充希さん。コロナ禍での撮影だったこともあり、現場では本当に色々なことを感じたという。「いつかタナダユキ監督とはお仕事をご一緒したいと思っていたのですが、今回、福島の震災から10年、さらにコロナの影響で経営が困難になった映画館を立て直すというお話。何か巡り合わせのようなものを感じてふたつ返事で参加させていただきました」

初めて台本を読んだときの感想を伺うと。「震災やコロナの影響で『生活がグラついたときにおけるエンタメとは?』ということを、監督がこんな風に考えているんだ、と感じながら読みました。メッセージ性の強い題材ですが全然おしつけがましさが無くて、ホッコリしつつもクスッと笑えて。私が演じた茂木莉子も、とても口が悪い役なのですが、上っ面ではない優しさがあるところに惹かれました。まだ監督とはお会いする前だったのですが、この脚本を書かれた監督のことをきっと好きになる予感がありました」

cover interview 高畑充希
(画像=michillより引用)

実際に監督とお会いし、一緒に仕事をした感想を伺うと「本当にかっこいい監督」と即答が。「監督からは事前に細かいリクエストなどはありませんでしたが、ひとつ言われたのが、莉子は人生ハードモードなキャラクターだけど、かわいそうには見えたくないということ。それは私も同じ思いでしたので、スムーズに撮影に入れました。あとは現場の雰囲気に合わせるから自由にやって! って感じで、どんな動きをしてもその場に合わせてパパッとカットを変えてくれるんです。めっちゃかっこいい監督だと思いました」

朝日座の支配人に柳家喬太郎さん、莉子の恩師に大久保佳代子さんという魅力的なキャスティングも話題だ。「皆さん『本業じゃないのにすみません』っておっしゃりながら現場に来るんです。喬太郎師匠にも『助けてくださいね』って言われたんですけど『そんな! 私の方こそ助けてください!』みたいな謝り合いになったりして(笑)。撮影は純粋に楽しかったです。映画を撮るぞっていう気負いもなかったですし、みんながそれぞれいい距離感で台本の中の世界を楽しんでいる雰囲気がとってもよくて。その感じを、ゆるやかに監督が切り取ってくれる。本当に穏やかで豊かで、なんだかセラピーに通っているような素敵な時間を過ごさせてもらいました」