こんにちは、コラムニストのおおしまりえです。 「対等な夫婦関係」って、皆さんにとってどんな関係でしょうか。何でも話し合える関係? 家事育児・仕事をお互い納得のいく形で分担できる関係? その答えは、人により夫婦により様々ですよね。

 自分たちらしい夫婦のかたちを模索する中で、「夫婦別姓」を選択しようと考えているのが、牧野紗弥(まきの・さや)さん。牧野さんは結婚13年目で、現在3人のお子さんを育てながら『VERY』や『Domani』などのファッション雑誌でモデルとして活躍しています。

 これまで3回にわたり牧野さんにお話を聞いてきた本連載も、今回が最終回。夫や子どもたちとの対話を重ねて今感じる、牧野さんにとっての「対等な夫婦関係」について語ってもらいました。

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自分たちらしい対等な夫婦のかたちを見つけるために

 元々独身の頃から旧姓を残したいという意向を持ちつつも、結婚時にはうまくその気持を伝えることができず、夫の姓に改姓して今まで過ごしてきた牧野さん。夫婦生活を通して、自分たちが妻や夫という“役割”に縛られていること、「対等な夫婦関係」が叶えられていないことに悩みます。ですがある日、そんな苦しみの原因の1つは「ジェンダーバイアス(男女の役割分担に対する固定観念)」によるものだ! と気づきハッとしたのでした。

 自分たちらしい対等な夫婦のかたちを見つけていく取り組みの中で、牧野さんと夫は“ペーパー離婚をして事実婚に関係性を切り替え、夫婦別姓にする”という方法を取ろうと決めます。子どもたちと話そ合った上で、2021年末までに手続きをする予定だといいます。

「夫婦別姓=夫婦の平等、と考えているわけではない」

「まずお伝えしておきたいのですが、事実婚をしたら夫婦関係の平等が叶う、というわけじゃないんです」  今回のインタビューの冒頭から、こう話していた牧野さん。

事実婚による夫婦別姓は、あくまでも“自分たちらしい夫婦のジェンダー平等”を求める中で、最適な選択として出た1つの行動でしかないということです。牧野さんに関する報道では事実婚やペーパー離婚という行動が注目されがちでしたが、「事実婚をしたから夫婦が平等になると考えているわけではない」という感覚を、最初に教えてくれました。

「私にとっての対等な夫婦像というのは、今はまだ探している途中の段階です。ただ、いくつか思っていることはあります」