コーヒーのトリゴネンがアルツハイマー型認知症に効く?

コーヒーに含まれる「トリゴネン」はアルツハイマー型認知症の予防に効く? 海外の研究結果をご紹介
(画像=Cafendより引用)

アルツハイマー型認知症に対する薬物療法は存在するものの、現状では治療効果が高いとされる新薬はまだ市場に出回っていません。

そんな中、コーヒーに含まれている成分「トリゴネン」が、アルツハイマー型認知症に効果があることがラットを使った海外の研究で明らかにされました。

トリゴネンとは?

コーヒーの主成分は水ですが、ほかにも数百以上もの成分が含まれていると考えられています。トリゴネンは植物中に存在するアルカロイド(窒素を含む塩基性化合物)の一種で、コーヒーの生豆にはカフェインとほぼ同量のトリゴネンが含まれているそうです。トリゴネンはコーヒーだけではなく桜島大根や青首大根、セロリなどの野菜に含まれているほか、一部の魚介類にも含まれています。

海馬を保護するトリゴネン

イラン医科学大学の実験動物繁殖センターのラット(12〜14週齢、体重範囲250〜295 g)を対象に、アルツハイマー型認知症へのトリゴネンの作用を調べる研究が行われました。まずラットの脳内にある海馬領域にアミロイドβを注入し、アルツハイマー型認知症を発症させます。その後、ラットにトリゴネンを経口投与し、迷路タスクや物体認識タスクを課したところ、認知能力の改善とニューロン喪失の軽減が見られました。

アルツハイマー型認知症になると、脳の海馬から徐々に萎縮がはじまります。記憶には大きく分けて、短い間脳の保管される短期記憶と長い期間脳に保存されていつでも取り出せる状態の長期記憶があります。海馬は短期記憶から長期記憶へと情報をつなぎ、記憶を仕分ける器官です。もともと壊れやすく繊細な器官ですが、アルツハイマー型認知症になって海馬が萎縮すると、もの忘れが激しくなるなど記憶障害の症状が現れるようになります。

しかし、先述した研究結果の通り、トトリゴネンは海馬を脳内のアミロイドβの悪影響から保護する効果を持つことがわかりました。トリゴネンが海馬のニューロン喪失を軽減できたのは、酸化ストレスや炎症を抑制し、ミトコンドリアの完全性を維持する効果があるからだといいます。

トリゴネンを配合したコーヒーとは?

コーヒーのトリゴネンには、認知症の中でもアルツハイマー型認知症を予防・抑制する効果が期待できます。ところが、トリゴネンはカフェインとは異なり、熱に弱いのが大きな特徴です。一般的にコーヒー生豆を焙煎するときには180~200℃の温度で投入し、しっかり風味を与えるために高温で焙煎し続けて、およそ190℃前後の温度で焙煎を終了します。そのため、高温焙煎したコーヒーにはほとんどトリゴネンが含まれていません。

アルツハイマー型認知症の予防と改善のためにコーヒーを飲もうとするのであれば、低温焙煎されたコーヒーを選ぶかトリゴネンを加えた特別なコーヒーを選ぶ必要があるでしょう。

最近では、コーヒーの生豆から抽出する「グリーンコーヒー豆エキス」を商品化した製品も多く販売されています。まだ研究過程ではありますが、グリーンコーヒー豆エキスが含まれているサプリメントを試してみても良いかもしれません。

コーヒーでアルツハイマー型認知症を予防しよう

コーヒーに含まれる「トリゴネン」はアルツハイマー型認知症の予防に効く? 海外の研究結果をご紹介
(画像=Cafendより引用)

トリゴネンにはアルツハイマー型認知症だけではなく、単なるもの忘れを予防する効果もあるとされているため、「最近、もの忘れがひどくて困る」とお悩みの方にもおすすめの成分です。

アルツハイマー型認知症は誰もがなり得る病気ですから、トリゴネンを含んだコーヒーの開発や研究が積極的に進むことを祈るばかりです。


提供・Cafend

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